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東京ボイス (講談社文庫)
 
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東京ボイス (講談社文庫) [文庫]

ヒキタ クニオ
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

この喘ぎが聞こえるか?
ますますヴォルテージを高める「ヒキタワールド」。最新作は欲望に憑かれて喘ぎ、喉が掠れてしまった東京に巣食う人間たちの「歌声」を集めた連作短編集。
大藪春彦賞・受賞第1作!
今夜は、元美形ソロシンガーの吉本からボイス・トレーニングを受けた生徒たちの「発表会」……。東京で喘いでいた彼らの歌声が流れ始める。
●カズヤ=大麻(ガンジャ)で潰れた元アイドル
●ユウキ=両性具有のアイドル少女
●輝美=人生をウソで固めた風俗嬢
●小夜子=プロダクション社長の愛人
●エリ子=自分を出せずに生きてきた主婦
●亜子=夢を捨てきれないキャバクラ嬢
●行永=すばらしい歌声を持つヤクザ --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

牛丼屋のカウンター、向こう側から注がれる、以前とは違う視線。スキャンダルが元でアイドルでなくなったカズヤは、そんなものには慣れっこになった。マイナスからあがるため、様々なことが麻痺していく。さあ、ボイス・スタジオへ行こう。ここには東京の空の下に居続けたいと喘ぐ人間が集まってくる―。

登録情報

  • 文庫: 408ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/6/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062764237
  • ISBN-13: 978-4062764230
  • 発売日: 2009/6/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 627,628位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
サイコー! 2009/12/14
By pampino
形式:文庫
鮮烈なカバーイラストで手に取った作品。でも読み終わって心に残ったのは、やや掠れ気味のボーカルだった。読み終わった小説で音声が響いたのは、初めての経験だ。

東京の片隅でプライドどころか自分の才能の残滓を切り売りする、元シンガーのボイストレーナー吉本のところに集う彼らはそのまま、東京の縮図。大麻使用で堕ちた元アイドル。ふたなりのボーカリスト。嘘をつきつづける風俗嬢。仲間外れの主婦。さびしいヤクザ。常に醒めた目で彼らに向き合い、でも不器用に歌を通じて彼らを変えてゆく吉本にも、辛い過去があった。

ヒキタクニオの小説にはいつだって毒がある。主人公は落伍者だったりコロシヤだったり角を生やした女性だったり。読者はその紛々たる毒によろめきながらも、いつしかその冷たい甘さにやられてゆく。かさかさした文体にたっぷりふくまれた皮肉な愛情。今回もまったく同様で、良い子に膝に手を置いたまま、ヒキタクニオ劇場の観客でいつづけたはずの自分があれよあれよというまに熱に巻き込まれ、膜を破ってどどうと流れてくる熱気に当てられてサヨウナラ。ところがそれが、気持ちよい。ぎゅうぎゅうに絞られてかえって爽やかに身が軽い。

ペーパーテストで100点を取っているのに実技で歌を歌わされると3しかとれなくなるほどの私なのになぜこの小説に惹かれたのだろう?と思ったがこれは多分、ボーカルに代表される欲望の合法的な大排出への願望なのだと思う。膿みだろうが欲望だろうが不満だろうがなんだろうが、とにかく全部出し切ることへの快楽。

揺さぶる才能(声)なんてなくてもいい、ただ、叫べ。
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