簡単に言えば2組の不倫カップルの物語。家庭に不満を持っていながらも自分の家庭以外に行き場がなく、恋愛にも消極的な主婦・寺島、仕事も家庭も順調ながらも若い男との恋愛にのめりこんでいる主婦・黒木。一見全く違う世界にいる二人の主婦に共通するのは、家庭を失えば自分に残されるものはないという点。男に頼らなければ生きていけない女の悲しさが見え隠れします。一方の若い男たちはそんなこと知ってか知らずか女の感情の乱れについていけず戸惑ってばかり。この温度差が悲しい別れを導きます。
こんなことを書くと女が弱いものだと思われそうだけど、さすがは江国さん、最後の最後で女性の強さを見せてくれて爽快な作品になりました。とくに寺島しのぶは女性の強さと弱さを(文字通り)体当たりの演技でうまく表現していました。この映画で彼女の演技にただの女の嫉妬だけを感じたらそれだけの作品になるだろうし、その後ろに隠された悲しみを感じることができたらきっとおもしろい作品になるのではないかと思います。
私は映画の後に本も読みましたが、はっきり言って私は映画のほうがオススメです。作者が本で書ききれなかった喜美子のキャラクター、寺島しのぶが見事に演じきっていたという感じです。あれだよあれ!という感じです。