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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
モリタツファン以外の人に、ぜひ。,
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レビュー対象商品: 東京スタンピード (単行本)
構成や人物造形、台詞、その他の外形から判断して、小説として完成されている、とは正直言いにくい。探せば粗はあるし、ストーリーを楽しむ類の小説ではないのだが、それでも一気に読めたのはエピソードのリアリティ。例えば電車の切符を無くして、主人公が初乗り運賃の支払いを拒否する場面。個人的にも経験があるのだが、駅員のとても客商売とは思えない対応に仰天した。社会的ストレスの高まりをうまい切り口で見せ、小説の背景に説得力を与えている。感想は物語の中に出てくる架空の映画『碑』に対する小説内の評価とも重なり合う部分があるのだが、非常にメッセージに特化した小説である、ということ。著者の危機感に対して読み手がどれほど共感できるかにこの小説の評価はかかっているだろう。そのメッセージとは、著者の文章に馴染みのある読者であれば、おそらく帯の文章を見ただけでもピンと来るはず。 でも本当は「森達也って誰?」という人にこそ読んで欲しい。著者があえて小説という形式を選んだ理由もそこにあるとにらんでいるのだが。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
森は小説よりエッセイや対談が向いてると思う,
By カッタルコフスキー (東京都東久留米市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 東京スタンピード (単行本)
僕は森達也のファンである。ドキュメンタリーも対談もエッセイもどれも感心しながら、そして共感しながら読んできた。それはこれからもたぶん変わらないと思う。今回の小説も手に入れるまで大いに期待して楽しみにしていた。さて、読んでみて、僕が古典的すぎるのかもしれないが、文体が小説向きではないという気がした。 森達也は小説を間接話法とか隠喩という言い方でこちらの方が読者に伝わる力が強い、とどこかで言っていたように思うのだが、森の文体は直接話法向きだという気がした。これは決してけなしているわけではないのだが、文体が詩的ではないというのが、小説の場合は欠点になると思うのである。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
森でなければ読まなかった程度の小説,
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レビュー対象商品: 東京スタンピード (単行本)
私は、著者の本の大半を読んでいるが、ジャンルとしての小説はあまり読まず、もっぱらルポ派である。「事実は小説より奇なり」と言うが、事実のルポルタージュが上手い書き手によって綴られた文章を多読していると、よほどのこねくり回されたカラクリ付きの小説でないと“小説”として楽しめないのかもしれない。 その事実を、著者の各書では、ソフトな筆致で読者に考えさせるような文章で迫ってきた。 本書でもそのソフトな面は出ているのだが、それは新堂冬樹のようなグロい暴力描写も、サスペンス的スリルも、齋藤貴男の書く不気味な監視社会も描ききれておらず、自分がその時スタンピードする側なのか、される側なのかとの読者への突きつけがなかったので、減点した。 「ファシズムへの道は善意によって舗装される」を地で行く作品であったが、福田村事件などを参考にしていながら、読者に自分もする側に回ってしまうのではないか?との恐怖感を持たしきれなかったのは、残念だ。
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