まずは、タイトルに惹かれました。
なぜなら、数ある「スカイツリー本」の中で、おそらく唯一「東京タワー」の名が入っていたから。
私は、多分ほかの多くの人と同じように、ランドマークとしての東京タワーが大好きです。
巷の人がスカイツリー建設に沸く中で、いまひとつその波に乗れないのは、「じゃあ、東京タワーはどうなっちゃうの?」という気持ちがあるからだと思います。
あの、エレガントな曲線を描く暖かいオレンジ色の東京タワーに比べて、スカイツリーの無骨さといったら……、と、半ば敵意さえ抱いていました。
「東京スカイツリーと東京タワー」。
この本だったら、スカイツリー竣工後の東京タワーの存在意義も、示してくれるのかもしれない。
そんな希望と、帯に書かれた謎かけのような言葉に興味を持って、読み始めました。
結論から言うと、私はさらに東京タワーに対する愛着が増しました。さらに、東京スカイツリーを喜んで「迎え入れ」、ライトアップされる日が待ち遠しくさえなりました。
気に入らなかったスカイツリーの男性的なフォルムさえ、納得し、今は勇壮で頼もしく思えます。
本書ですばらしい大団円を迎えた2つのタワーは、私の中でも仲良く共鳴し合ったのです。
内容は、東京に隠された「鬼門の歴史」を紐解き、東京タワーと東京スカイツリーの正体を明らかにする、というのが主目的。
それに付随して、様々な要素が散りばめられています。
江戸・東京史であり、スピリチュアルな要素を含んだ風水本であり、日本を代表する建築家・丹下健三の建築史であり、そして多分、壮大な恋愛の物語でもあります。
途中、歴史上の人物や出来事、場所などが多数登場しますが、詳しく解説されていて歴史が苦手な人でも読みやすいと思います。
私のように「スカイツリーばっかり注目されて、東京タワーの立場は?」と考えている人、歴史や建築、謎解き、スピリチュアルな話が好きな人、そしてもちろん、東京スカイツリーのことを知りたい人、あと、皇居ランナーの方も!
みんなが満足できる結末が待っていますよ。読んでみてください。