「今しか見られない」という表紙の殺し文句。
別にスカイツリーに限らず、どんな場所でも一期一会とは言えるだろう。
だが、2012年春の完成に向け、文字通り日々成長しているスカイツリーの「今」の姿は今しか見られないと思うと、毎日がとても貴重に思えてくる。
それを雄弁に物語るのが、本書最大のウリ、“定点観測”写真群だ。
本書前半では、撮影地ガイドを兼ねた定点観測で、ツリーの成長をさまざまな角度から記録し紹介している。
あるいはビル群の谷間から、初めは影も形もなかったのが徐々に頭角を現していく様子。またあるいは、逆さ富士ならぬ“逆さツリー”を拝める絶好地点を紹介。またあるいは、“足許”の工事現場に注目し、工事機械が現れては消えゆく風景や、ツリーの成長と裏腹に徐々に姿を消す東武鉄道本社屋も記録に留めている。
スポット紹介だけでなく、上手く写すためのテクニック記事や模範作例も豊富で、十分お役立ちだ。
極めつけは、見開きページ左上端に配された“パラパラアニメ”。ツリーの成長を実感できるし、イタズラ心で逆回ししても楽しめる・・・って、そんな変態バカは私だけか(自爆)。
ツリーの成長速度が一定でないせいもあってか、撮影日の間隔や撮影の時間帯がバラバラで、やや見づらい面もある。でも、貴重な時を追体験させて貰えるだけで十分嬉しい。
じつは「スカイツリー定点観測実行委員会」なる集団が撮影を担当しているのだそうな。どこの世界にも物好きがいるなぁ(失礼!)と呆れもするけれど、そのひとたちが纏めてくれた写真で遊んでいる自分が、結局は他の誰よりも物好きなんだよネ(また自爆)。
下町の由緒ある寺社や公園はともかく、食い物処や土産物の情報は、完成のころにはたぶんかなり様変わりしていよう。でも、それもまた貴重な「今」の記録。
ツリーが開業したら、ぜひ“総集編”を出してほしいナ(笑)。