東京のカフェとは、人を包み込んでくれる懐の深い場所だということをこの本に教えてもらいました。
掲載されたお店は、著者による魅力的な写真でその空間を見ることができ、すべて丁寧に描かれ、文学的なテキストで楽しませてくれました。またカフェヒストリーはよく取材されているようで、大変面白いものでした。
お店の歴史は遠い過去のしらない人たちが作ったのではなく、現役で私たちをもてなしてくれる同時代に生きている人たちなんだなと思うと遠い存在のオーナーたちが少し身近に感じられてうれしくなりました。
人と人が出合い、影響し合って新しいことが生まれ、点が線になり面になり新しい文化ができあがる。その一端を担っているのは、場所を提供する側だけでなく客人である私たちの存在があってこそと伝え続ける、読みながら繰り返し著者の思いのようなものを感じました。
東京の街は特に特徴はないのかもしれない。でも東京の街を継いでいく人たちの思いをすべて受けて止めて日々変わり続けているエネルギッシュで心優しい大都会が東京なんだと思います。カフェを軸に街の変遷の面白さを認識しました。この本を読んでいると東京の街が好きになります。
そしてカフェは様々な出会いをくれたんだと自分のことも思い出したりしました。
著者の思いがつまった力作で大事にしたい本です。1冊は保存用にと2冊購入しました。