初版は1990年なのだが、内容的に今も古さを感じさせない。情報や知識の裏づけ、文章の味、にじみ出る著者の学識と品位など、久しぶりに「本を読む」楽しさを堪能した。この本がサントリー学芸大賞を受賞したということも頷けた。
私は遅ればせながら最近、雑誌『旅の手帳』で取り上げられているのを見て興味をもち、中古本で手に入れた。土地には長い年月の間にその土地特有の質というか傾向というか・・・「ゲニウス・ロキ(地霊)」が備わるようなところがある、という著者の見地は、違和感なく受け入れられる。
読み進めるうちに、地図帳をかたわらにおくようになり、読後は江戸の古地図がほしくなって購入してしまった。それくらい面白い本だった。