著者のひととなりが伝わってくる素朴さ、素直さ、誠実さ、あたたかさ、そして行動力。1億円もの借金を抱え込んで、ホスピスを開くにあたり、奥さんの貯金も使っちゃったなんて包み隠さず、まじめすぎるほどに書いているがゆえの不器用さ、おもしろさ。お涙ちょうだいでもなく、社会派でもなく、そこに今がむしゃらに生きているおじいちゃん、おばあちゃん、壁に擦り付けたうんこを掃除しながら、がむしゃらに手探りで無償の愛を、行政に、おじいちゃん、おばあちゃんに試行錯誤で渡していく「きぼうのいえ」のスタッフ。説教臭さなどない。名声もいらない。ただ赤字と借金は残っている。「ホームレス」というと、社会復帰させたい、あたたかい家でお風呂に入っておいしいものを食べさせてあげたいという図式が頭の中にあったが、そんな安っぽい奇麗事のかたちにはまらないおじいちゃん、おばあちゃんたちがかっこいい。写真もいい。