1890年に起こったトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事件に際して串本大島の人々が為した行いと、その恩義を百年近く経っても忘れることのないトルコの人々によって、1985年イラン・イラク戦争で危機に瀕した大勢の日本人が救出された話しを、多くの資料を調べて丁寧に記録した本でした。
正確を期すために、読み物として考えると必ずしも必要とは思えない資料の引用箇所もあり、それが読む勢いを殺してしまう箇所がありましたので星一つ減じました。
ただこれは読み物としての評価であって、この本を事実の記録としてとらえるなら必ずしも欠点とはならないでしょう。
日本国としての国際協力とか人道的援助などと大上段に構えなくとも、ことに臨んで一人一人が為すべきことを誠心誠意為すことで、一つの国とその国民を動かすことさえ出来ると言うことを、百年前の人たちに教えられたような気がしました。