神山監督は日本の現状を憂う作品を作っておられて、私は心から尊敬しているのですが、
作品の完成度はまた別の話です。
若者に責任を押し付けてアガリを決め込んでいるヤツらをぶん殴ってやりたい、という旨のセリフ
私もまったく同感です。そして、監督の、こんな現状であっても若者に希望を見出したいという
気持ちも伝わってきます。
でも、なんだかツマラナイのです。テーマ性は凄いけど、心に届かない気がします。
私は攻殻機動隊SACの特に1stシーズンが素晴らしいと思っていますので、それと比較してしまいますが、
攻殻を超えた作品だとは思えませんでした。
ドンパチするSFじゃないから、という話じゃないですよ。それぞれの作品の完成度の比較です。
何故かは上手く説明できませんが、
例えば、いろいろな要素を展開しておきながら、それを上手く収束できなかった点は挙げられると思います。
ニート問題、魔法のケータイ、アウトサイダーなど、一つ一つは大粒なんですが、きっちりとピースにはまらずに
私には白々しいものに映ってしまいました。テーマが超リアルで深刻なものだけに、それに付き合う小道具としては
設定の緻密さに欠けていたと感じます。結局あれは何だったんだろう?都合の良すぎた設定だったなあ、
という気持ちになります。
結局のところ、今回のように原作まで全部神山監督に背負ってもらうのは、少し荷が重すぎたのではないでしょうか。しっかりとした原作があって、それに神山監督のテーマ性を乗せていくというほうが成功している
気がします。もしくは、優秀な脚本家を何人も集めてじっくり議論して、話を練り上げたらよかったのかもと
思います。そう思ってしまうくらいに、以前の作品と比較した場合の完成度の低さを感じました。
繰り返しになりますが、私は神山監督の作品のファンです。
故に、期待値が高く評価は厳しいものになったかも知れません。でも、もっと良い物が出来たのではないか
と感じたのは事実です。次の作品に期待しています。