「秋に稲刈りをしたら、わら人形を作り、原子力ムラの人たちの名前を張って、くぎを打ち付けたい思いです。」
と取材に来た新聞記者にやり場のない憤怒をぶちまけたという秋山さん。
日本人初の宇宙飛行士として、90年にソユーズ宇宙船に搭乗した元ジャーナリストの秋山豊寛さん(69)。その後、福島県滝根町に移住し、有機農業に取り組んでいた。原発から自宅までは約32キロ。
管理職になるのを嫌い、早期退職して有機農業に取り組んだ秋山さんは少し前から僕にとっても気になる存在だった。ぼくも棚田で米作りを初めて3年目が経過した。にわか週一百姓の端くれだからだ。
冒頭の新聞記事に深くうなずいてしまい、いつか本を読んでみたいと思っていた。昨日書店で偶然本を目にし、すぐに購入した。なかなか面白く読ませてもらった。
原発による放射能被害と政府のずさんな対応への憤りが実に整理されながら語られていて大いに共鳴するのだが、それよりも何よりも、この人も「子ども達へ何を伝える」べきかを真摯に模索している姿に感動した。
日本文化の伝統が花鳥風月への感性を共通基盤にしていることを体感できず、仮想世界にのめり込んでいく子ども達に「しなやかさというたからもの」(国分一太郎)をとりもどす意味でも、お米作りは重要だと指摘するが、ぼくも強く肯いた。
本の題名の素敵。他の著書も読んでみたいと思った。