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来るべき精神分析のプログラム (講談社選書メチエ)
 
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来るべき精神分析のプログラム (講談社選書メチエ) [単行本]

十川 幸司
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

フロイト=ラカンの彼方へバージョンアップ 「私」とはなにか。それはいかに作動し、「経験」を作り出し、自己を変容させるのか。「システム」をキーワードに21世紀における新たな精神分析の構築を試みる

内容(「BOOK」データベースより)

「私」とはなにか。それはいかに作動し、「経験」を作り出し、自己を変容させるのか。「システム」をキーワードに、二一世紀における新たな精神分析の構築を試みる。

登録情報

  • 単行本: 250ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/10/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062584239
  • ISBN-13: 978-4062584234
  • 発売日: 2008/10/10
  • 商品の寸法: 18.4 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
著者は、本書で「現在の精神分析から、遠くへ行くこと、それが目的」で本書を書いたと言う。

精神分析は「学」ではない。とは多くの精神分析家の言うところだ。
著者もまた、分析“家”を名乗る。なぜ精神分析は「学」ではないのだろうか。
「学」でないならば、「技術」なのだろうか。
病院にいるひとに例えれば、医学を修めた医者ではなく、レントゲン技師だというのだろうか。

ぼくは、精神分析家が、臨床家として治療に望むことに、大きな危惧を表明する。
何をもって、精神分析家が病気が治ったと判断するのか、ちっとも説明されないし、
合点が行かないからだ。この本でも同様である。

著者は、これまでなされた精神分析批判が「表層的」だと言うが、
どこが表層的で、その批判に対してどんな反論があるかは少しも示されない。

統合失調症は、精神分析の治療対象であるが、
それと「基本的病態が同じ」(ぼくはこの意見には同意しない)自閉症については、
精神分析はなにか有効な手立てを持っているのだろうか。
自閉症は「心因」ではない。
本書は問い、だけは立ててあるが、これに有効な答えは示されない。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
強い起爆力 2009/7/13
形式:単行本
著者は精神分析をあくまで20世紀が要請した実践であることを認めたうえで、その限界と可能性を鮮やかに描き出しています(著作のタイトルはベンヤミンの有名な作品のもじりでしょうか)。本書の第2章で論じられている欲動論およびセクシュアリティについての議論は極めて独創的です。その他に、前エディプス期の理論的位置づけ、エディプスの本来の意味、コミュニケーションの病理形成力と治癒力、精神分析的な観点から見た健康と病気、自己と他者との関係における倫理の問題などの点について、著者は大胆で緻密な論を展開しています。本書の内容は高度に「思弁」的ですが、著者の徹底して経験に依拠するという姿勢がその「思弁」に強い力を与えています。起爆力を持った書物だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By サト
形式:単行本
 まず抑えなければならないのは、この本は「ラカン理論」を解説するために書かれたのではない。したがって、「この本でラカン理論を学ぶことが出来るか否か」といった観点からの批評は意味がないし、そのようにこの本を読んでも得るものは何もないだろう。
 この本は、タイトルが示すとおり、著者の考える「精神分析」が進むべき方向性を論じたものであり、ラカン派云々を超えた視点から書かれた「新しい精神分析理論」の概説である。だから精神分析の入門書でもない。
 では、この本は誰に向かって書かれたのだろうか。
 読み終わって、饒舌な独語に引きずり回されたような奇妙な居心地の悪さを私は感じた。繰り返しになるが、ここに書かれているのは、誰に向けられているのか?あるいは私達は何を得ることが出来るのか?
 この本を読むことで、少なくとも、一人の真摯な臨床家が独自の理論を作り上げようとしている、その途上に立ち会うという経験をすることはできる。しかし、それによって、著者ではなく、私達は、何か新しい経験を得ることが出来るのだろうか?
 ある意味、本書は「奇書」であると私は思う。
 
 おそらくこの書物は、書かれるのにまだ早かったのではないか。また、もっと分量が必要だったのではないか。
 所々出てくる臨床的技法については、あまりに部分的で、かつ唐突であり、充分に吟味されていないように感じる。また、全体としてこの著者らしくない、何か急いだような記述が続き、恐らく著者の考えているアイデアのほんのさわり、もしくは骨格しか触れられていないのではないかと思える。
 
 これまでの著者の本を追いかけてきた一読者としては、もっと症例から帰納的に編み出されてくるような「新しい理論」が読みたかった。
 あたかも「システム論」が先にあり、そこから演繹されるように数々の臨床技法や理論が論じられるのは、著者が処女作で批判したラカン後期の態度と似てしまっているというのは言いすぎだろうか。

 ぜひ、熟考が重ねられた上での大著を期待したい。
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