まず客観的な意見からいきますね。
簡単に説明します。
優等生で運動神経抜群、爽やかなイケメン「喜多義孝」
ちょっと変わってて大人びてるけど普通な「宮村奈緒」
と、ここまで聞くと恋愛ものですね。最後に二人がキスして終わるような。
でもこの本はそういう話じゃないです。
あ、いや恋愛がないと言っているわけではありません。
むしろ接吻くらいで収まるような話だったら良かったのに、という感じですかね。
このお話は、ものすごく端的に言ってしまえば喜多くんが癲狂する恋愛物語です。
話をまるで現代文の授業のように区切るとしたら、私は4つに分けます。
'@新田真実の自殺
'A告白、そして恋人になる
'B選ばれし喜多くんの癲狂
'Cイルカの奈緒と喜多くん
なんかそれっぽいタイトルを付けたいところですけど思いつかないですねw
こんなかんじです。
未読の方は新田真実ってだれやねん、と思うかもしれません。
また既読の方は他にも登場人物おるやん、と思うかもしれません。
まぁ、そこはスルーで。気になるなら本屋でパラパラめくってみることをお薦めします。
というか、ネタばれになるのは面白くないので'Cとかは抽象的にしています。
それなら告白はどうなんだ?と思うかもしれませんが、この話において通常の恋愛感情は全く意味を持ちません。
普通の女の子と男の子が健全な気持ちでお互い愛し合うような可愛い恋愛をお求めの方には合いません。
「野球」という言葉に引っかかった方はお気の毒、関係ないです。
「癲狂」と聞いて気になった方は、本屋でパラパラめくってみることを以下略。
ここからは主観的な意見を言います。
読みながらうーん、外したかぁと落胆しました。
いえ、面白いのですが…私は「こんな本もあるんかぁ」というのが感想です。
まぁそれだけ読者を選ぶといいますか、好みがハッキリ分かれると思います。
ですので、一概に「いいよ、コレ!」と言うことはできません。
ハッキリ言います。
読んでいて、というか最後まで読まなければ、これはただの胸糞悪い話です。
もう、読んでいるだけで胃がぐにゃりと曲げられるような気持ち悪さです。
何がひどいって、この本狂ってますよ。
喜多の癲狂っぷりは引きますねw
まぁ人間観察の材料として見れば、面白いこと考える人ですよ。
やっぱり「完璧超人」と自負するだけのことはあります。
これを書いている鹿島田さんはちょっとどうかしてるんじゃないか?と思いましたね。
でも、いやだからこそ、読んでみて欲しい。
「貴方は人間でしょうか、それともイルカでしょうか。」
この本を2倍楽しみたいなら、この質問に答えてから本を最後まで一気に読んでください。
絶対に、気持ち悪くなってもイライラしてもこの本から逃げないでください。
断言します、読むと決めたなら必ず最後まで読むべきです。
そうでないと、この本の凄さは分からない。
この本の価値は、そこにあるんだと私は解釈しました。
読み終えたとき、きっと質問の答えは出ます。
私はまだ一度しか読み通していません。
これは多分何度も読むべきだと思います。
結末を知って「やっぱり」と思うか「嘘でしょ?」と思うかは自由です。
・・・が、その結末をもう一度迎えたときに、私は今と同じ気持ちになると確信できません。
でも、失望する気にはならない。
そうですね、他の方がおっしゃるように読みにくい部分もありました。
視点がコロコロ変わったり、無理に話を切り上げたような違和感があるところもあります。
でも、読書ってそういうものではないでしょうか。
気持ち悪さも、気持ち良さも、本を読まなければ感じることはできません。
私はこの本の、奈緒と喜多の癲狂恋愛の結末を知って納得しました。
ははぁ、結局これが伝えたいことなのか、と。
回りくどいようでストレートに書いてくれてますね。
本を読んで得る物は人それぞれ違うわけですが、この本の最終的な意見は書いてありました。
「だけど見てみたい気がする。新田真実が築き上げた帝国が崩壊していくのを。」―来たれ、野球部(P207)
いろいろと書きましたが、この物語から逃げないで最後まで読み切れるなら面白いですよ。
私は最後に奈緒が下した決断と、その考え方に共感を持てました。
最後まで読んだ今、私はこの本をお薦めしますよ。
ただし、なんども言いますが「最後まで読む」という条件付きで、です。
私は素直に「こんな本もあるんだ!」と思いました。
というか、こんな形で読者に訴えてくるとは思わなかった。
うーん、意表を突かれたっていうんですかね?そういう意味ではあっぱれ!とも思いますw
何せ、読み終わるまで「外したかも!」と思っていたわけですからw
まだ読み終わったばかりなので気持ちの整理がついてないのかもしれませんが、変な気分ですw
このレビューが貴方の参考になることを願って。
・・・そういえば、喜多と来た(れ)は掛けていたのかなぁ(絶対違うでしょうがw)