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来たるべき蜂起
 
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来たるべき蜂起 [単行本]

不可視委員会 , 『来たるべき蜂起』翻訳委員会
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登録情報

  • 単行本: 188ページ
  • 出版社: 彩流社 (2010/05)
  • ISBN-10: 4779114802
  • ISBN-13: 978-4779114809
  • 発売日: 2010/05
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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32 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sumomo
形式:単行本
ついに、ようやく、このテクストが日本語で読める。
感激で胸がいっぱいだ。
なぜフランスで「タルナック事件」が起きたのか。
なぜギリシャではあれほど大勢の人たちが、怒りに燃え、路上の抗議を続けているのか。
なぜいまの世界はこのようになっ(てしまっ)たのか。
新自由主義は終わったのか/その先には何があるのか。
…といったことを考えている・考えてみたい方に、心からおすすめしたい。

悲しみ、辛辣な皮肉、絶望的な笑い、
生の渇望、歓び、幸福に生きたいという願い、自分と「人間」への愛。
これらの情動が迫力ある文体に複雑に織り込まれているのも大きな魅力。
これは文学だ、未来を語る叙事詩だ。
(おそらく原文も訳文も そうとう鍛え上げられているのだろう。)
小さな本だけれど、一語一語、ゆっっっくり読まないと、もったないし、大事なことを見落としそうだ。

ほんとうのことが書いてある書物というものは、歴史的に、
重いところでは著者の断罪弾圧・焚書、軽めのところでは黙殺・誤解等々、
さまざまの憂き目にあってきたのだろうが、
いま日本で、この本を買って読むことができる幸福をかみしめたい。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
希望の書 2011/4/26
形式:単行本
 「自分探し」にこだわるうちにワーキングプアに陥ってしまった若者たち、就職できた僥倖を守らんがため自らを過労死に追い込んでいくサラリーマン、社会的ストレスを外国人排斥に転嫁させてしまう「普通の市民」。これらの個人個人の心がけの問題、あるいは日本社会特有の問題と捉えられがちな事柄は、じつは世界中に起きていて、「グローバリゼーション」という一本の糸につながる、資本主義経済社会に普遍的な問題であると気づかせてくれる本です。

 「『私』でありたいと望むほど、空しさはつのるばかりだ。自分を表現するほど自分は枯渇し、自分自身を追い求めれば追い求めるほど疲労していく。(・・・)われわれは自分自身のセールスマンになってしまったのだ。」

 「家族への回帰とは、いまや支配的となった分断をさらに押し広げるものである。家族はそうした分断をごまかすために持ち出されているにすぎず、それゆえ家族自体がまやかしとなっている。」

 「われわれはもう移民を罵ることでしか、つまり、自分が同じよそ者であることをはっきりと体現する外国人を罵ることでしか、自分をフランス人であると感じることができない」

 かつてマルクスは「共産党宣言」によってブルジョワジーとプロレタリアートが利害が対立する別の階級であり、後者の窮乏化は経済構造によるものであって、「怠けぐせ」などの労働者個人の資質の問題ではないことを明らかにしました。本書は高度に組織され管理社会化した21世紀の労働者が置かれた状況を、その貧窮している生活者の目線で解釈し、経営者のご都合的な言説にも、伝統的な左翼運動の言説にもとらわれない言葉で表現します。そのスタンスは徹底的にラジカルで、「労働」の概念すら批判を免れない。

 「今日の状況は、労働が唯一の生存方法だとみなされてきたためにあらゆるものが破壊され、あらゆる人々が根無し草にされた結果なのである。(・・・)生産性の向上が謳われ、生産の脱地域化、機械化、オートメーション化、そしてデジタル化が果てしなく推し進められた結果、商品製造のために物理的な生きた労働はほとんど必要とされなくなった。私たちが生きているのは労働が存在しない労働者社会というパラドクスである。」

 本書は現代の貧困などの社会的諸問題の根底に、経済のグローバリゼーション、産業のポストフォーディズムへの移行を見て取るという、68年の新左翼運動の流れを汲むいわゆるポストモダン左翼、イタリア・アウトノミア運動、「マルチチュード派」に沿ったスタンスを取っています。本書が呼びかける「蜂起」のスローガンは、これら新しい哲学、社会学の知識を、実践の中で試し、煮詰め、精製したものです。

 「これ以上働かなくてすむように自己組織化すること」

 「旅をすること、自分たちのコミュニケーション回路を描くこと」

 「可視性を避けること、匿名性を攻撃的ポジションに転じること」

 「おしゃべりを一般化すること/総会をなくすこと」

 「経済を遮断すること、ただし自己組織化のレベルに合わせて」

 これらのスローガンの背景には、もちろんインターネットという新しいメディア環境があります。2011年、北アフリカのイスラム圏諸国で起きた民主化革命は、インターネットを使ってほぼ本書の路線に沿って実践された、模範的な政治運動となりました。かの地域はネットとグローバリゼーションのおかげで、事実上EUの「郊外」と化していたのです。

 マグレブ圏の騒動は「アラブ諸国の特殊な社会問題」と受け止められたようですが、実際には日本を含めた主要先進国全てがかかえる問題でもあります。この「蜂起」が東京やパリ、ニューヨークの「郊外」で起こる日は、そう遠くないことかもしれません。

 大事なことは、希望を捨てないことです。
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