この文庫の何がいいって、「白」がいいんですよ。
芥川龍之介というと、教科書になってたり、文学賞の名前になってたりで、いかにも堅い文学、というイメージがあると思われるが、本当の芥川龍之介の文章というのは、スピーディで、内容もエンターテイメントなのだ。本当に文章がうまい。文章がかっこいい。そして作品によっては熱い! 「白」というのは、「白」という名前の白い犬が、仲間を見捨てて逃げたために、黒い姿となって、飼い主にも飼い犬と認められず、石を投げられ、一匹放浪する、という話だ。自暴自棄になった白はなりゆきで子犬を助ける。その時の「白」のセリフったらもう、泣きますよ、あなた。銀牙そこのけの熱さだよ!
食わず嫌いはやめて、芥川龍之介は読むべしです。