巷にはブログ本があふれかえっております。
昼食べたパスタが美味かっただの、マスカラが使いやすかっただの。
「等身大」で癒される、「やさしい日常」が、ネットで垂れ流された挙句、
堂々と書籍化されております。
ブロガーといい、出版社といい、その程度のもので、皆様のおアシを掠め取ろうとは、
実にフトドキな心がけでございます。
村西監督は違います。
女優の痴態を映像にするだけではお客様への「喜ばせ」が足りない、と思い、
女優そこのけで自ら白いブリーフ姿で映りこみ、のべつまくなし喋り続けてしまう勇姿は、
30代後半以上の男の子であれば、脳裏に焼き付いて離れないはずです。
当然本書でも、芸能ゴシップ、エロネタ、ヤクザネタ。
あふれんばかりの「喜ばせ」ぶりでございます。
わたくしどもの「やさしい日常」なんかではまずお目にかからない話ばかりです。
それでも、なぜでしょう。
本書の中で、貧しい者、弱い者、世間に叩かれる者へ監督が見せる優しさ、励ましに、
涙があふれるほど胸を打たれるのは。
せめて照れ隠しに、申し上げましょう。
「ああ、こんなにまで出てしまったんですねえ。」