これまで開発援助を持ち込む外部者の「自分の手は汚さないし、汚れない、自分は出てきた結果に責任さえも持てない」というような当事者意識に欠ける意識や態度に違和感を感じずにはいられなかった。筆者の洞察はどれもリアリティがある。長い間、自分自身の中に悶々としていた開発援助と外部介入者に対する「あなたは何者?」という問いや違和感が筆者の分析によってスッキリした。本書は外部介入者に対して、自己認識の欠如や負うべき責任を鋭く指摘している。また、政府間協力である援助事業の限界も明確にしている。ただ、本書を読んで、どれだけの読者が共感をおぼえることができるのかが疑問である。本書を深く理解するには、実務者と研究者としての両方の経験が求められるだろう。最後に、筆者が誠実にフィールドに向き合っている様子も伝わり、筆者に対して共感と信頼感を持てた。