昨今は新書ブームで、各出版社、競争で出していますが、混合玉石ですよね。
(本当は玉石混淆。あの小谷野敦さんからご指摘がありました。感激!)
酒井健氏の「ゴシックとは何か」のような、川原の石ころの中できらりと光る、
ダイヤモンドのような名著に出会って感激することもありますが(今は文庫になってます)、
おおむね専門家が一般人向けに専門知識を思いっきり希釈して書いたような本が目立ちます。
本書が玉より石に近いとは申しませんが、1Q84の勢いに乗って出された便乗本であることは
否定できないでしょう。
でも、村上春樹に関連した書評って、なんだかインテリが難しいこと書いたものが多いでしょ。
純文学なんて読まない読者も、春樹ファンにはいっぱいいますから、こういう軽くて読みやすい
文芸評論ではない読み物も、当然あっていいはずです。
なのに不思議、今まで一冊になったものがありませんでした。
作家村上春樹の個人情報、および作品解説がおおざっぱにつづってあります。
筆者は最後に、春樹の作品の魅力を概括して、
現実を超えた永遠の愛、としています。
素直で説得力のあるまとめ方です。