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李陵・山月記 (新潮文庫)
 
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李陵・山月記 (新潮文庫) [文庫]

中島 敦
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (49件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

前漢武帝の時代。やむなく匈奴に降った李陵、彼を弁護したために宮刑に処された歴史家・司馬遷、李陵の友人であくまで敵方に屈しなかった蘇武―――権力に翻弄されながら、〈生〉を意味あるものとするためのそれぞれの生き様を描いた「李陵」、己の自尊心のために人喰い虎になってしまった詩人の苦悩を綴った「山月記」ほか、〈自分とは、人間とは〉と問い続けながら、若くして世を去った著者の心の叫びが胸に響く、名作計三篇を収録。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

中島敦は、幼時よりの漢学の教養と広範な読書から得た独自な近代的憂愁を加味して、知識人の宿命、孤独を唱えた作家で、三十四歳で歿した。彼の不幸な作家生活は太平洋戦争のさなかに重なり、疑惑と恐怖に陥った自我は、古伝説や歴史に人間関係の諸相を物語化しつつ、異常な緊張感をもって芸術の高貴性を現出させた。本書は中国の古典に取材した表題作ほか『名人伝』『弟子』を収録。

登録情報

  • 文庫: 218ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2003/12)
  • ISBN-10: 4101077010
  • ISBN-13: 978-4101077017
  • 発売日: 2003/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (49件のカスタマーレビュー)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 読む前は中島敦には何となく敷居の高いイメージがあり手に取りづらかったのだが、実際に読んでみると食わず嫌いにならずに済んだことを感謝したいぐらいの気持ちにさせられた。古典的な叙情と価値観があふれる作品集は、胸に迫って感じさせられるものばかりで、ずっしりとした重みさえ感じられる。滅亡の美しさや、人によって異なるさまざまな義のありよう、師弟愛や、凡人を遙かに超越した偉人の伝記。漢文調の格式高い文章と相まってどれも非常に完成度の高い作品となっている。一つの事に没入していく人間の儚さ、愚かさ、美しさをここまで明らかな形で書き表した作家は少ないのでは? とも思えた。
 すこし漢文の素養がいるかも知れないが、丁寧な注釈が入っているので別に読めないわけではない。ただ、やはりあらかじめあらすじを多少掴んでおくと分かりやすいかも知れない。それでも、是非とも多くの人に読んでもらいたい、文句なしの名作だと思う。
このレビューは参考になりましたか?
24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By jiffy
形式:文庫
ストーリーは古典に拠る部分が多いので、文章について。
難解な漢字、熟語が頻発する文体は、
漢文の書き下しを想起させますが、
ガチガチの文語体ではないので、
普段から本を読む人なら、中学生でも読めるかもしれません。
辞書は必要となりますが、多くの難解な字は注釈で理解できます。
少なくとも、森鴎外の「舞姫」などよりは読みやすいので、
近代文学を読み始めるための第一歩にも相応しいかと思えます。
最近では、芥川賞受賞作の日本語も怪しくなりつつあり、
このような硬派一直線の日本語こそ、
後世にまで読み継がれてほしいと、個人的に願っています。
この本を紐解けば、失われつつある日本語に再会できるはずです。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 如那傘如臼太 トップ500レビュアー
形式:文庫
言葉は韻律を楽しむものなのだなぁと思わせてくれる、漢文調の日本語が素晴らしい。
これだけ硬質で綺麗な言葉を書ける作家は他にはいないと思う。

「山月記」については他の方に十分語りつくされているようなので、「李陵」について。
「李陵」は、功名心から歩兵のみを率いて匈奴遠征に赴き、善戦したものの破れて匈奴に降服した李陵と、
匈奴に降った李陵の弁護をしたばかりに宦官にされた司馬遷と、
匈奴に捕らわれたものの匈奴に降伏せずに漢への節義を貫き、のちに漢へ帰った蘇武の物語である。
李陵を軸に、三者三様の人生観が描かれている。

「山月記」の李徴は、虎に転じることでそれ以前の人生のくびきから逃れることができた訳だが、
李陵にはそれができず、過去の敗北を引きずりながら鬱々とした思いに耐えるよりなかった。
とくに李陵の蘇武に対する捉え方ない思いが痛々しい。

「山月記」「李陵」の他には、「弟子」「名人伝」を収録。
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