戦後アジアが生んだ最も偉大な政治家のひとりと云える李登輝氏。彼が成した
数々の偉業はこと台湾だけではなく、東アジアの構図を変えたと言っても過言
ではない。台湾を疑いのない民主国家に変貌させ、経済での台頭を成し遂げ、
大陸からの防護壁を築き、東亜の安定を実現した。本来なら到底無視することが
できない人物なのだが、ご存知のように外務省とマスコミが腐りきっているため、
我が国ではその実像を十分に知ることができなかった。その彼を認知させるのに
大いなる貢献をしたのが小林よしのり氏である。本書はその両雄の対談である。
対談といっても、いつもは自己主張の強い小林氏が本書では専ら聞き手に回り、
李氏の縦横無尽に語る日本への思い、若き日の遍歴、総統としての格闘、国際
情勢観、宗教観を存分に引き出す役割に専念している。知れば知るほど李氏の
人間的な魅力やその手腕に引き込まれてしまう。それに引きかえ・・・と自虐的に
なりたくはないが、切なくなるのが我が国の政治家どもだ。元日本人であることを
誇りにし、日本への熱き想いを語る親日家にこれまで日本がしてきたことは何か。
思い起こすのも忌まわしいことばかりだ。今からでも遅くはない。台湾に目を向け、
日米台が連携する自由と民主主義を守るための闘いに主体的に参加すべきだ。