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李歐 (講談社文庫)
 
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李歐 (講談社文庫) [ペーパーバック]

高村 薫
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

李歐よ君は大陸の覇者になれぼくは君の夢を見るから――

惚れたって言えよ――。美貌の殺し屋は言った。その名は李歐。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに22歳。しかし、2人が見た大陸の夢は遠く厳しく、15年の月日が2つの魂をひきさいた。
『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。

とめどなく広がっていく夢想のどこかに、その夜は壮大な気分と絶望の両方が根を下ろしているのを感じながら、一彰は普段は滅多にしないのに、久々に声に出して李歐の名を呼んでみた。それは、たっぷり震えてかすれ、まるで初めて恋人の名を呼んだみたいだと、自分でも可笑しかった。――本文より

内容(「BOOK」データベースより)

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李欧。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。

登録情報

  • ペーパーバック: 522ページ
  • 出版社: 講談社 (1999/2/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062630117
  • ISBN-13: 978-4062630115
  • 発売日: 1999/2/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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By makop
形式:ペーパーバック
「李歐」は、そもそも大阪の下町に繰り広げられる拳銃活劇という体裁をとった小説、「我が手に拳銃を」の文庫本用リメークだが、リメークには留まらず原作を越えている。

「我が手に・・」ではさらっと描かれただけであった登場人物の李歐という正体不明の中国人青年をより深く描くことによって、小説全体のイメージは汎アジア的な広がりをみせる。こうして小説に国際的な広がりを持たせる時の高村の手法は緻密で、非日本人的な人生観を巧みに登場人物の行動や発言に組み込んでくる。それによって人物に深みがまし、日本人が10回生まれ変わってもそんな人間にはならない、そんな特別な雰囲気を登場人物に漂わせるのだ。李歐は香港に一時期住んだことになっているが、読み続けると李歐は香港に住む香港生まれの中国人ではなく、間違いなく大陸の中国人に違いないと信じさせられてしまうのだ。

小説には他の高村小説に繰り返し描かれてきた町工場、機械の音、燃える火、キリスト教会、教会の牧師、身体障害者、不倫、離婚、貧困、などなど、高村的な部品が全体にちりばめられる。こうした意図的にゴシック的に構築された高村の小説世界は常に社会のマイナスイメージが深く暗く根付いている。読者は繰り返されたゴシック的構成に親しみを覚えるが次第にそれは悲しみに変わる。

少し違っているのは、「李歐」では最後に主人公たちが夢の実現を果たして、まんまとエル・ドラドへとたどり着くところまでをたっぷりと描いてくれるところだ。大団円。ほかの高村作品では、登場人物は出口のない行き詰まりの犯罪者の迷宮、解決されることのない登場人物たちの深い悩みのどん底、で終わってしまう。その意味で「李歐」は高村の小説の中では珍しい「大団円」なのである。ボクはこの終わり方が好きである。

このレビューは参考になりましたか?
44 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pic3000
形式:ペーパーバック
非情で冷酷な人間臭い愛憎のドラマ、テンポと緊迫感のあるハードボイルドが好きなら「わが手に拳銃を」に断然軍配をあげたいところだが、私はそういう前作にも惹かれながらも、「李歐」が見せてくれた雄大で甘美な
夢幻的世界の方に酔いしれた。

「わが手に…」と同様一彰と李歐は堅い友情で結ばれているが、「李歐」の中の二人は長い間離れ離れで
お互いの生死さえわからぬ状況の中、それぞれの魂が互いを求めて狂おしく引き合う。
冷徹で凄惨な裏の世界に生きる男の友情が、時に官能的でさえあった。
男と女の恋も描かれてはいるのであるが、それよりも男同士の友情の方が色っぽく感じる小説を
私は初めて読んだ。凄い。

妖艶で美しく、磊落で大胆不敵、氷のように残酷で、春の日差しのように暖かな李歐。
いつしかリアルな人間の枠を超え、大陸への夢の化身となって一彰を激しく揺さぶり導いていった李歐。
私は女だけど、男になってこんな李歐のような男に出会ってみたい。
ああ女って女って……ツマンナイヨー(笑)。

このレビューは参考になりましたか?
24 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
美の極致 2007/4/2
By 霧葉
形式:ペーパーバック
桜の季節になると必ず読みたくなる小説、それが李歐です。高村薫作品の中で最も好きな作品でもあります。桜は男の花だと言われていますが、朧な月夜に浮かび上がる夜桜の妖しさがこの本には溢れている気がします。

血で濡れているかのような美貌の殺し屋・李歐と、自分自身のことさえ掴みかね曖昧さの中で日々を生きている一彰が出会い、魂で惹かれ合う物語。高村薫の美しく艶やかな情景描写にハッとさせられます。

同性愛的な要素が多分に含まれていますが、もちろん現実世界のリアルさではありません。高村薫が極上の色彩で描き出した二人の人物が男女の枠をも超えた情熱で互いの心を捉え、どれほどの時間と距離が離れようとも想いの一点で繋がっている場面には、ひとたび運命で巡り会ってしまったならばその鉤爪からは決して逃れられないのだと思わされます。

最高の口説き文句がこの小説の中にはあちらこちらに散りばめられていますが、冷酷にも見える李歐の奥に隠されている炎と彼の纏う大陸の風が、どの言葉よりも一彰の心臓を撃ち抜いたのではないかという気がします。読んで絶対に損はない一冊です。
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とにかく、作者は女性なの?と思うほど、ディテールが細かい。
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投稿日: 20日前 投稿者: cookie cutter
男性にとっては大団円ですが。
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投稿日: 1か月前 投稿者: ねるねる49
男のロマンだなぁ。
男と男の儚く、そして美しい運命的な友情のお話。
でも、わたしは正直そこまで没頭できなかった。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: パウダー
何度でも読み返したい
高村作品の中では最も気に入っている「李歐」。珍しく未来が広がるラストだという事もあるが、波乱万丈な人生の中で起こる一つ一つの出来事を、腹に落として前に進もうとする... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: akke
 「え〜でも〜結局小説でしょ〜?」 とは言いきれない、巧さ!
以前から、高村薫の小説に興味があり、遅ればせながら今年読みました。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: maki
李欧に会いたくなりました。
高村薫さんの本を久しぶりに読みたくなって、
この本を買いました。
雑事を片付けて、読み始めればやっぱり
引き込まれます。... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: 火の見櫓
冷たく、そして静かなる官能
高村薫さんの作品を初めて読んだ。
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投稿日: 14か月前 投稿者: ライモンダ
何度も読み返しました
「わが手に拳銃を」も高村薫作品も全く読んだことがなく、この本を読みました。... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: mnb
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