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朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機
 
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朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機 [単行本]

根本 祐二
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,100 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

今年から3年後の2014年は、東京オリンピックが開催された1964年から数えて50年後になる。
学校や橋など、当時整備された社会資本は、今いっせいに更新投資の時期を迎えている。

 このままでは老朽化した社会資本が損壊し、市民の生命と財産を危機にさらす一方、
再生するために莫大な予算が必要になる。その規模は総額330兆円、今後50年間で毎年8.1兆円にものぼる。
 危機は静かに、だが着実に進行している。

 少ない予算でいかにして老朽化問題に対処するか。
各自治体の先進事例を紹介しながら、崩壊を防ぐ知恵・ノウハウを解説する。


プロローグ 崩壊のシナリオ
第1章 崩壊寸前の社会資本
第2章 莫大な額にのぼる更新投資
第3章 各自治体の更新投資をどう計算するか
第4章 各自治体の老朽化対策の実践例
第5章 崩壊させない知恵
第6章 どのように対策を進めるか
エピローグ 再生のシナリオ

内容(「BOOK」データベースより)

老朽化する道路・橋、学校、水道管…もう先送りは許されない。更新投資毎年8兆円という巨額の“隠れ債務”の存在を明らかにし、少ない予算で効果をあげる知恵・先進事例を解説する。

登録情報

  • 単行本: 289ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/5/25)
  • ISBN-10: 4532354595
  • ISBN-13: 978-4532354596
  • 発売日: 2011/5/25
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ふんふん トップ100レビュアー
 この本は分かり易くて面白かったです。そしてけっこう必読度の高い話題です。

 アメリカでは、大恐慌後の公共工事ラッシュ時に建設された橋が、ちょうど50年ほど経過した1980年代に次々と崩落事故を起こして国民を震撼させた。老朽化を放置していた結果である。日本のインフラも、東京オリンピックや大阪万博の頃に集中的に建設が進められており、今後2010年代に一斉に耐用年数の限界を迎ることとなる。これを放置すればアメリカと同じように、危険な事故が続発しかねない。
 ところが、かつてのアメリカも現在の日本も同じなのだが、景気対策期や経済成長期にインフラを集中的に建設しておきながら、それらがいずれ一斉に更新時期を迎えることについては行政プランの中で忘れ去られており、予算獲得も難しくなった(建設から福祉へのシフトなどによる)。その結果、インフラの更新投資の必要性はかなり軽視され、なんだかんだと理由を付けて先延ばしにされた挙句、重大事故が相次いで発生したのがアメリカで、日本もいま30年遅れて同じ局面を迎えつつあるのである。
 本書によれば、一般にはあまり知られていないものの、日本でも老朽化が危険なレベルに達しているインフラは急増しており、すでに使用停止や通行規制に到った橋は全国で1,764箇所ある。老朽化による崩落や破損、使用規制に関する具体的な事例も、本書では40件以上紹介されている。しかも危険なことに、全国に68万ある橋のうち、日常的に点検・管理されているものはごく少数で、そもそも38%の自治体は定期検査すら行なっていないのだ。
 これは橋だけの問題ではなく、学校、図書館、病院、公民館といった公共施設や、上下水道、ごみ処理場などのインフラにも言えることだ。水道管にいたっては、そもそも震度6強の地震に耐えうるよう設計してあるものが全体の30%しかないらしい。すでに公共施設といわれるものの半数以上は築30年を経過している。
 また今回の大地震で、あまり話題になっていないのだが、地震そのものというよりも老朽化を放置していたために起きてしまった事故もけっこうあるようだ。たとえば都内では九段会館のホールの天井が落ちて2名が死亡し、20数名が負傷したのがニュースになっていたが、千代田区の震度は5強であり、建築基準法が要求している耐震基準を大幅に下回る揺れに過ぎなかったのである。しかも津波が来たわけでもないし、地面が液状化したわけでもない。建築基準法は基本的に、震度7を想定して耐震基準を定めているらしい。ところが今回、震度6以下の揺れで、かつ津波被害も無かったにもかかわらず発生してしまった施設・インフラの「重大事象」がいくつもあって、本書では九段会館の事故を含めて10件が紹介されている。
 著者の試算では今後、年平均で8兆円の更新投資を50年間続けなければならないとのことだ。ところが周知のとおり、国も地方も、税収減と社会保障費の増加によって財政は逼迫している。しかも公共インフラというのは、地方自治体のものが多く、なおさらファイナンスが困難である。
 そこで著者は本書の後半で、民間資金を活用してファイナンスしていく方法とか、更新投資自体を最小化するためのインフラの建設手法やマネジメント手法を論じている。とにかくまずは何よりも“数字”を明らかにして、明確な問題意識を共有すること。そして施設の統廃合や複数自治体での共有、インフラ自体のスリム化、長寿命建築技術の導入、メンテナンス費用の削減などにより投資費用を最小化し、民間資金も活用して可能な限りの投資を行なっていくべきであると。

 我々国民も、「無駄な工事が多い」とか「談合の温床になる」とか言ってる場合ではなく、必要最低限の公共インフラとは何なのかを考える必要があるし、インフラ更新費用をケチると将来重大事故が続発しかねないんだという危機意識を共有する必要があるんでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By こず
経済学からの視点では「そのとおり」だと思うのですが、他の法令との関連がないのが気がかり。

たとえば、建物の用途の集約化が書かれていますが、都市計画法、建築基準法や消防法をどうクリアーしていくかの記述がありません。

土木工学や建築学のスペシャリストと手を組んだら、さらに納得がいく本になったと思います。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
高度成長期やバブル崩壊後の景気対策として多額に行われてきた公共工事による建築物や社会資本の老朽化が進んでいる。
 積み上がる財政赤字の前に公共工事予算は削減され続けている。
 この動きが、このまま進むと日本は大変なことになる。
というのが、本書の論点である。

本書のプロローグで、ワーストシナリオが描かれる。
一方で、エピローグでは、再生のシナリオが描かれる。
そして、本書のメッセージは、主に行政や政治に携わっている人たちへ向けられている。
しかし残念ながら、再生のシナリオには相当に高いハードルがあるように思えてならない。

実際に、ワーストシナリオの例として80年代のアメリカが例示されている。このころ「荒廃するアメリカ」という本が出版され、いくつもの社会資本の老朽化による痛ましい事故が立て続けに発生した。

また一方で、行政や政治家に見られる更新投資への反論をパターン化している。認識不足型、国家責任転嫁型、市民責任転嫁型、聖域主張型である。

その上で、更新投資実現のためのPFIの重要性を論じ、狛江市、藤沢市、秦野市、宮代町の先進的な事例を挙げながら、一般論としてのバランスシート改革のために、7つの方法を提言している。具体的には、施設仕分け、多機能化、インフラ・マネジメント、超寿命化、広域連携、不動産の有効活用、そして民間資金の導入である。

加えて、本書で注目すべきは、震災復興および防災のための提案が早くもなされている点である。
ここでも、PFIの重要性が論じられることに注目したい。

目に見える効果の少ない更新投資は、国民的合意を取り付けるのに相当の困難を伴う。
高度成長期やバブル崩壊後の景気対策として多額に行われてきた公共工事による建築物や社会資本の老朽化が進んでいる。
 積み上がる財政赤字の前に公共工事予算は削減され続けている。
 この動きが、このまま進むと日本は大変なことになる。
というのが、本書の論点である。

本書のプロローグで、ワーストシナリオが描かれる。
一方で、エピローグでは、再生のシナリオが描かれる。
そして、本書のメッセージは、主に行政や政治に携わっている人たちへ向けられている。
私には、再生のシナリオには相当に高いハードルがあるように思えてならない。

実際に、ワーストシナリオの例として80年代のアメリカが例示されている。このころ「荒廃するアメリカ」という本が出版され、いくつもの社会資本の老朽化による痛ましい事故が立て続けに発生した。

また一方で、行政や政治家に見られる更新投資への反論をパターン化している。認識不足型、国家責任転嫁型、市民責任転嫁型、聖域主張型である。

その上で、更新投資実現のためのPFIの重要性を論じ、狛江市、藤沢市、秦野市、宮代町の先進的な事例を挙げながら、一般論としてのバランスシート改革のために、7つの方法を提言している。具体的には、施設仕分け、多機能化、インフラ・マネジメント、超寿命化、広域連携、不動産の有効活用、そして民間資金の導入である。

加えて、本書で注目すべきは、震災復興および防災のための提案が早くもなされている点である。
ここでも、PFIの重要性が論じられることに注目したい。

目に見える効果の少ない更新投資は、国民的合意を取り付けるのに相当の困難を伴う。
しかし、やらなければならない。
悲劇が起こる前に。 
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