沖縄の先史時代から戦前までの歴史を、詳細な解説とともに「おそらくはこうであっただろう」という私感を交えながら、琉球王国の隆盛をみながらも最終的には国家とは何なのかを問うている、秀逸な一冊ではないかと思う。朝貢と冊封という関係を通して中国「明」との交易、逆に中世からの交易や江戸時代の薩摩による侵略、明治の琉球処分を通したヤマト文化とのかかわりの中で独自の島嶼国家を維持させた琉球王国の流れが、読んだ後の頭の中に3次元的に見えて来る。
今の沖縄をウチナーンチュ2世として見てきた仲村氏が、沖縄史の解説書ではなく、あらためて沖縄を時間軸としてとらえなおそうという意図がはっきりと感じられた。
個人的には「沖縄学、ウチナーンチュ丸裸」を同時進行的に読み進めてしまったと言うのが失敗と言えば失敗なのだが、同じ人の書いた作品かと「きょとん」と口をあけてしまうほどの、彼の力強い文章に圧倒されてしまった。逆にこの本にまとめられた豊潤な知識を持って今の沖縄を見続けてている仲村氏の姿に私は「なるほど」とうなずいてしまった。
ただひとつ、沖縄史を勉強しようとして最初にふれる本ではないのかもしれない。多少の予備知識があったほうが読み進める上で助けにはなるだろう。