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本書は、決起を目前にした明智光秀の回想で幕を開け、一貫してその視点で物語を進める。信長の幕下に加わってからの15年が振り返られ、天下統一を目前にして次第に常軌を逸してゆく主と、武将としての頂点を過ぎ、使い捨てにされるのではと恐れをつのらせる一家臣との対比があざやかに描き出されていく。著者は「武将の器ではない」など、光秀の能力に対してはなかなか手厳しいが、リストラの脅威にさらされたサラリーマンとも重ね合わせているらしく、その立場には終始同情的な目をそそいでいる。
本能寺の変は戦国史のクライマックスであるため、これまで数えきれないほどの小説や舞台、映像に取り上げられてきた。言い換えれば、決して盛り上げるのが難しい素材ではないのだ。一方、本書は徹底して史実重視の手法を取っているため、いわゆる小説的興趣に富んでいるわけではない。最初は読みづらいと感じる向きがあるかもしれないが、いつしか事実そのものの重みに圧倒されるはずだ。大げさな脚色など施されずとも、吟味され、選び抜かれた史実の積み重ねが、歴史を生きた者たちの真実を浮かび上がらせる。まさに熟達の筆致といっていいだろう。(大滝浩太郎) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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今、同じ『津本陽』氏の『青雲士魂録』を読んでますが、こちらの方は結構おもしろいです。『これって、ほんまにおんなじ作者の作品』?
津本陽も今回、新説を披露している。老人の年齢に達した光秀が再び戦場に行くことを命じられ、場合によっては領地もなくしてしまうかも知れない。大名に定年はなく、信長の命令に背けない。先の細い未来を生きるより、その元を断つことを選ぶが、自分をライバルがどう見ているかが違っていた。
武将としての適正は劣っていて、秀吉によって一気に攻め滅ぼされる。
本能寺の変は、信長が切り開いた時代を次の時代に進ませ役割を担っていた。
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