本書は改めて言うまでもなく、本田技研工業の創業者、本田宗一郎氏の伝記マンガである。
当初、マンガということで、私は子供に読ませるつもりで買った。
ただ、手に取ってみると、子供に読ませるには少々、難解な部分も多く、つまり、マンガになったと言うだけで、書いてあることは一般の経営書と大差ない内容であり、従って、そこに書いてあることは、私にとっては、今更ながらに珍しい話でもなかった。
また、マンガとして描かれたということもあってか、本田宗一郎、そして、事実上の創業経営者であった藤沢武夫の両氏の負の側面については殆ど触れられていなかったという点では、子供向けでも大人向けでもない、少々、中途半端な仕上がりになっていると言えよう。
ただ、それでも、両氏のことをこういう形で見るのは、それなりに新鮮で、特に、最後の方で、若い二人が焼鳥屋で一献傾けながら、「今度の手形は落とせないかもしれない」などという回想するシーンには、思わず、胸が熱くなった。
ホンダのそれは、決して、一直線に成功へ辿り着いたようなしろものではなく、むしろ、成功と失敗とは背中合わせの紙一重だったのだということを実感させられる。