学校内で起きたトラブルを発端に,過去にあったいくつかの事件が繋がり,
主人公らが解決,乗り越えていくという,『青春ミステリ』に近い内容です.
ひとつひとつの表現が冗長で,すべてにおいてまわりくどく感じます.
特に序盤は,設定や登場人物の紹介などに割かれて,物語が進みません.
それに,友人など登場人物を増やした割には,あまり顔を出すこともなく,
特別な能力を持つという人物については,能力をはじめ活躍はまったくゼロ.
また,事件をはじめ,問題を解決しようとする代表者的立場の人物も,
ありきたりな説教を語るだけで,その押しつけや物言いはとにかく不快.
感情のぶつけ合いの場面でも,紙上に強い口調の言葉が並んでいるだけで,
ひと言ひと言に重みを感じられず,薄っぺらさにどうもしらけてしまいます.
それに,主人公をはじめ,登場人物らの抱える過去の問題にしても,
繋がるいくつかは消化不良のままで,掘りさげもまるで物足りません.
重い問題のはずが,登場人物のキャラクタ設定用に用意されたみたいで,
そのため,途中から変わってしまった雰囲気に最後まで違和感があります.
ほかにも,物語の進行において,どうしても不自然なところがあるなど,
デビュー作という点を考慮しても,ちょっと粗が目立った作品に思えます.
全体的にもっと整理して,スッキリと読ませてもらいたかったです.