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本格小説 下
 
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本格小説 下 [単行本]

水村 美苗
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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第54回(2002年) 讀賣文学賞小説賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

夏目漱石の遺作を書き継いだ『続明暗』で鮮烈なデビューを果たし、前代未聞のバイリンガル小説『私小説from left to right』で読書人を瞠目させた著者が、七年の歳月を費やし、待望の第三作を放つ。21世紀に物語を紡ぐことへの果敢な挑戦が、忘れかけていた文学の悦びを呼び招く。

登録情報

  • 単行本: 412ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/09)
  • ISBN-10: 4104077038
  • ISBN-13: 978-4104077038
  • 発売日: 2002/09
  • 商品の寸法: 19.4 x 14 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 深みのある和製「嵐が丘」, 2002/10/27
レビュー対象商品: 本格小説 下 (単行本)
 著者自身がこの作品の題材になった話を「祐介」から聞かされたとき、それは「嵐が丘」に似ていると思った旨が、上巻の序章に書かれている。確かに「太郎」は、ヒースクリフを、「よう子」はキャサリンを彷彿させる。しかし、ところは軽井沢と東京郊外の町、時は戦後間もない頃から20世紀の末近くまで。軽井沢とその周辺の自然や、日本の戦後の社会変化が巧みに描き込まれている。まさに、「嵐が丘」がこれらの時空間に生まれ変わったといえる。軽井沢やその付近のシャープなモノクロ写真が何枚も挿入されているのも嬉しい。巻末近く、推理小説のどんでん返しにも似た意外な挿話が登場人物の一人から語られる。評者はそれを読んで、著者の創作構想力に全く脱帽した。それは意外ではあったが、思い返せばそれを想像させる伏線や描写がそれ以前になくはなかったのである。その構想力をもってすれば、「序」(序章より前の文)にあった「小説のような話」が天から贈られたというくだりも、作品に現実味を与えるために創作したのではではなかったか、と疑いたくさえなる。その、どんでん返し的挿話を考慮すれば、これが、「太郎・よう子・雅之」の超恋愛小説であると同時に、「女中・冨美子」の女の一生を描いた小説と見ることもできる深みのある作品であることに気づく。この作品に「本格小説」以外の題名をつけるとどうなるだろうか、「豪雨の山荘」、「白の飛散」、「まぼろしの浴衣」、「軽井沢別荘物語」等々…と、つい考えてしまいたくなる小説であり、簡単にいえば、面白く、また、味わい深い作品である。「あとがき」で著者は1998年9月に信州へ行き、小説の舞台を訪れたと書いている。評者もその翌月、軽井沢のKホテルで一つの同窓会に出席した機会に、その辺りを散策したのだった。この本を携えて、もう一度軽井沢へ行ってみたいと思っている。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 おなかがいっぱいになりました, 2004/3/5
By 
ソコツ - レビューをすべて見る
(トップ100レビュアー)    (VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 本格小説 下 (単行本)
上・下巻の長さにしりごみしそうになってしまいましたが、読み終えて、ああ満喫した、という感慨に浸れる小説でした。内容が濃くて無駄がないので、むしろ忙しい人にこそ推薦したいです。「ハズレ」の小説に何度もぶつかってしまう危険から、逃れるためにも。誕生した瞬間からすでに、あ、「古典」だ、という印象を与えてしまう優れた作品があるのですよね。この本が、まさにそれです。これからも繰り返し何度か読むことになりそうです。

あと、上巻のはじめにあったかなり長い「前置き」の意義が、最後まで読みすすめれば、かなりはっきりしてきます。最初は、これ本編なの?注釈なの?と、とまどってしまいましたが、あれはいわば話の「まくら」だったのですね。よくできた「まくら」の常として、「本編」に適確につながる内容でした。本書を一読してから、また冒頭に戻りたくなってしまいましたよ。

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 2冊揃えて読みだして下さい, 2003/4/23
By 
tomo1943 (茨城県つくば市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 本格小説 下 (単行本)
 この小説は、上下2冊に分けずに、厚くても良いから1冊にすべきです。上巻の後半から加速度的に物語性が強くなり、下巻にいたっては巻を擱くことあたわず・・・。これからお読みになる方、2冊揃えて読みだして下さい。
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