グリム童話は本当は怖い話であったり性的な話であったりするというのをよく聞く
ので、興味を持ってこの本を手に取った。
で、この本は確かに物語としてはおもしろいと思う。
ただし、この本を読んでいて、どこまでが歴史的にちゃんと資料をさかのぼったも
のを再現していて、どこからが作者の創作なのかがよくわからなかった。
作者自身も述べているように、精神分析家たちの(勝手な)解釈に沿って、作者が
(”本当は”どういう話であったかに関わらず)創作した部分がかなりある(大半?)。
各話の末に、簡単な解説があるが、自分としてはこの解説をもっと増やして、ペー
ジ数の1/3か1/4程度を、歴史的に”本当は”どういう話であったのかを詳しく紹介し
てほしかった。
お話として読むなら恐らく楽しめるものだと思うし、自分も熱中して読めたが、知
的探究心が強く、ある程度学術的な面や文学として童話の成り立ちなどに関心がある
人には、あまりお薦めではないと思う。
題名としては、「本当は恐ろしいグリム童話」というよりも、「恐ろしく改変して
みたグリム童話」が適切だと思う。
白雪姫やシンデレラは誰でも知っているのでおもしろかったが、青髭やネズの木と
いったあまり普通の日本人にはなじみのない話があるのがちょっと残念だった。