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本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫)
 
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本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫) [文庫]

桐生 操
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「赤ずきん」は狼の娘だった!?「マッチ売りの少女」を汚す魔の手…。恐怖の「おとぎ話」の完結編待望の文庫化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桐生 操
パリ大学(ソルボンヌ大学)・リヨン大学に留学、主にフランス文学や歴史を専攻する。帰国後、執筆を開始。以来、ルネサンス期を中心とした西洋史人物評伝をはじめ、歴史の知られざるエピソードを次々と発表し、好評を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: ベストセラーズ (2008/7/18)
  • ISBN-10: 458439265X
  • ISBN-13: 978-4584392652
  • 発売日: 2008/7/18
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ1000レビュアー
形式:文庫
6年振りの新作です。
全5話からなっていますが,うち2話はアンデルセン童話をベースにしています。

前作と同様,古典童話を元にしながらも,創作童話の色合いが濃くなっています。
また,各作品のあとに,解説・解題があるのも同様です。

本作の特徴の一つは,著者自身も述べているとおり,悪徳から聖なるもの・無垢なるものへの「価値観転換のおもしろさ」にあります。特に『マッチ売りの少女』に濃厚に表れています。
また,童話特有の「残酷さ」に託して,「自己抹殺の衝動」も描かれています。『豚殺しごっこをした子供たちの話』がそれです。

僕の個人的好みは,『マッチ売りの少女』です。
作者は,少女と,かの「サド侯爵」を邂逅させています。
ただ,サドという人物のもつ存在感があまりにも大きく,また短編という紙数の制約上,前述の「価値観転換のおもしろさ」が十分に描き切れていないのが残念です。

また,作品集の最後に置かれている『人殺し城』も好みですが,これは「憎悪の連鎖」・「埋まることのない虚無感」といったモチーフで書かれており,作品集全体の読後感としてはやや重いといえましょうか。

本作品は「最終章」と銘打たれていることから,続編は期待できないのかもしれません。しかし,本作品が出版されたのは,「童話ブーム」も一段落した2008年であることからしても,単に時流に乗って書かれたものではなく,作者好みの題材であると思います。ならば,形を変えてでもよいので,ぜひ「桐生版童話」の続編を期待したいです!
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形式:文庫
共同作家の堤幸子さんが故人となられた後の作品です。シリーズ3作目であり、最終作になるだろう作品です。
恐らく上田加代子さんが一人で書いたのではなく、堤さんと構想・幾つかの執筆はされていたと思いますが、2作目までとはやや趣を異にしています。

本の冒頭でも謳われている通り、フィクション性が強まりました。 タイトルの「本当は」は回を経るごとに原作への脚色が濃くなり、桐生的解釈が明確です。 尤も、グリム童話の原作に触れたことのある日本人はごく僅かでしょうから、いわゆる童話との落差に激しく混乱することは間違いありません。

シリーズの多くを占める性的・倒錯表現に関しては、やはり落差が大きく衝撃的ではあるものの、一方では3作目でもあり新鮮味は薄れたと思います。桐生操著作全体を見渡せば、それをテーマに掲げているわけで、至極当然ではあり、そこを理解して読まれるのが良いでしょう。

個別には「赤ずきん」が興味深く、注釈によればお婆さんを食べたのは・・・・・・ここでは書きませんが、過去作における「ねずの木」にも見られる関連性から、グリムの通底する作風や時代を感じさせられます。それだけ現代の尺度では考えられないほど、生死や性への観念、経済的問題による生活の貧富差といった背景が異なるのでしょう。 そういう側面で読むのも興味深いです。

余談ですが、2010年ニュースでは、中国の出版社が今シリーズをグリム童話の原作訳版と勘違いして中国語化し、児童書として発刊してしまったそうです。「グリム童話のドイツ語版のオリジナルが見つからなかったので、日本語版を元にしてそれを中国語に翻訳した」そうですが・・・・…それだけ今シリーズが注目に価するものだったということにしておきましょう。
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