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本当は不気味で怖ろしい自分探し
 
 

本当は不気味で怖ろしい自分探し [単行本]

春日 武彦
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

人間心理を知悉する奇才精神科医が、
「自己」という不気味な存在の正体を徹底的に解き明かす。
自らの心の闇を知る覚悟がある人のための、
究極の自分探しマニュアル。

内容(「BOOK」データベースより)

「本当の自分」の正体、ほんとうに知りたいですか?表に現われてこない「本当の自分」とは、じつはあなたが「封印している自分」なのかもしれない…。臨床医としてあらゆる患者に接してきた精神科医が、心の奥底に深く下りていって見つけたものとは?エッセイと不穏な小説でつづる、不気味な自分探しマニュアル。

登録情報

  • 単行本: 248ページ
  • 出版社: 草思社 (2007/5/24)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4794215959
  • ISBN-13: 978-4794215956
  • 発売日: 2007/5/24
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 238,130位 (本のベストセラーを見る)
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38 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 坂パ
形式:単行本
 編集者の発案なのか、あざと過ぎるタイトルから連想されるどろどろとした恐怖や、いかにも挑発的な指摘を期待していたが、本を開くとあっさり裏切られた。代わりに、もっとぼんやりとして、紋切り型ではない、自己と他者の認識のずれにまつわるエピソードが淡々と語られていく。

 珠玉は「本当の自分は実は自分の外に偏在している」という文章に代表される終章だ。正直、タイトルの印象が強かったこともあって、ここへ来るまでは少し物足りなかった。が、ここへ来て急に目を開かされるようになる。

 ※ちょっとネタばれ的なので、読みたい人はこの段落飛ばして下さい。
 今では多くの著作を発表しているが、かつて筆者には自分の言いたいことをうまく言えないもどかしさに苦しんだ時期があったそうだ。日常暮らしていて出会う、はっとする、琴線に触れる鮮やかな出来事を、どうにか表したいと思いながらも的確に言葉にすることができず、思い悩んだという。そこで大学ノートに、他者が書いた文章の中で、自分の表現したい感覚にフィットする秀逸な言い回しを抜き出すことを始めた。とくに島尾敏雄の文章が多かったという。ある時そのノートを読み返していたら、そこにこそ「あるべき本当の自分」の姿があるとに気づいたということだ。

 結果的に、この本を通じて自分にとって自分がなぜ貴重な存在であるのか、そして孤独なのかということが一挙にクリアになってしまった。
 他のもっと精神科の含有量の多い著作も読んでいるが、基本的にこの人は精神科医でありながら分析者の高みに立たず、むしろ自分を患者と紙一重の同類と見なし、ただ一線を越えてしまっただけの相手を同じ目線の高さからじっと観察しているようなフシがある(一方で無作法者への常識的な苦言だとか、庶民的な感覚も混在しているが)。ともかく、なにか言いたい結論のために事例を開陳しているのではなく、その総体に漂う、なにか得体の知れないものを言い表したくて、乾いた筆致で一風変わった出来事や人物を淡々と語っているような印象だ。そのため物足りないと言えば物足りないこともあるが、読みながら同時にぼんやりと思いをめぐらせるゆとりがあるので、自分の考えをまとめる一助にもなってくれる。
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By cobo
形式:単行本
精神科医である春日さんのエッセイ(ノンフィクション部分)と、その事に関連して春日さんの書き上げた短い小説(フィクション部分)が合わさってひとつの章になっている、一風変わった本です。

「自分探し」というまずこの言葉の定義をキチンとしてから始まる事が良いです。曖昧に「自分探し」という単語だけでは私とあなたの考える「自分探し」という単語から受けるニュアンスの違いから誤解を招く事が多いと思うのです。そして、この「自分探し」という単語は人によって受ける意味に開きが大きいとも思うのです。

また、春日さんの不思議に思う事、そしてそれに付随して考えが及ぶ細部がとても変わっていて、また、変わっているのに腑に落ちる場面が多くてとても面白かったです。

「自分探し」の最中に、用心してもらいたいものとして春日さんの挙げる『謙虚さの有無』に尽きると、私も同感しました。

『謙虚さの有無』が客観性の度合いを弱め、他人からいわゆるイタク見える、下品な(自分さえ良ければ構わないという考えが透けて見える)グロテスクな存在に陥るのだと。

「自分探し」は広義に解釈すれば、していない人はいない。それそのものがいわゆる人生といっても良いと思う。しかし、狭義の意味において、「本当の」が付く「自分探し」は逃避や幻想や妄想である。謙虚さの、客観性の無い所に正当な評価は現れない。

と、私は考えるので、春日さんと「自分探し」という単語を定義した意味を近く感じたので、また納得したので、そういう方にはオススメ致します。しかし、その考えに同意できる人ばかりが読むことでは春日さんの考える「グロテスクな人々」には届かない本でもあるとも思う。この本のタイトルから興味が湧いて読もうと思う人には既にそういう傾向が高いと思うので。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By SaKz
形式:単行本
「自分探し」と聞くと、将来の方向性が定まらずにふらりと
旅に出るようなイメージだが、本書の「自分探し」は全くそれと趣が異なる。
自己のうちの無意識に隠された本質を探ることを指す。

何をするか分からない自分、
好奇心や渇望、自虐、怒りを理性で抑えきれない自分、
余計なことをせずにいられない自分、
まさに「日常から離れて自分探しをするとおかしな顛末に至る」ような
怖ろしさを秘めている。

そうした「自分」が著者の目から客観的かつ冷静に綴られている。
それらは精神疾患として顕在化することもあるが、特異なものではなく、
現実に健常人でも十分説明ができるような理由に基づいている場合が
あるという健常と病理の境界線すれすれの怖ろしさも示している。
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