不思議な、かつ魅力的な大国、インド。サリー姿、シーク教徒のターバン姿、聖なるガンジスと牛、シタールの音色、IT技術者や医師の頭脳流出と富裕層、米国の医師の1/3はインド人、アウトカースト層とムンバイのスラム「ダラヴィ」、大国相手に臆せず直言出来る国、核保有国、常任理事国入り野望、中国と争う次期経済超大国のインドだ。本書と門倉貴史著「今のインドがわかる本」と併せて読むととても面白い。本書はインドについて全てを解説してくれる。この国の潜在的な大きな将来性はわかっていても、インフラ未整備が最大の投資障害であった。交通渋滞が凄まじく、特に電力不足は深刻で、停電の頻発では進出や投資意欲は鈍ってしまう。しかし最近はそのインフラがやっと整備され始めた由。主要4都市間を結ぶ幹線道路、火力発電所建設、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想等々だ。インドの市場成長性と労働力と人材は大変魅力的であるので、インフラが整えば多くの外資が一段と流入するだろう。しかし日系企業も東南アジアで成功したからと、インドは全く違うことに注意が必要だ。私もLondon駐在時の経験でインド人の英語は非常に聞きにくかった。旧英領時代に民主主義は浸透し、その結果は市民の自意識と権利意識が強い。法制度も難しい。よって欧米企業に比し日系企業は苦労するだろう。インドが直面する最大の問題は「貧困」だ。本書を読み驚いたことは多いが例えば、識字率は65.38%、BRICs、VISTA、NEXT11諸国の中で識字率がインドより低いのはパキスタン(43.1%)とバングラデシュ(49.9%)のみ。五輪のメダル獲得は少なく、北京五輪ではエア・ライフルで金1個、その他銅が2個。過去の金メダル8個は全てが男子ホッケーである。タタ・モーターズの「ワンラックカー」は2010年の店頭販売価格は実際いくらになろうか。今後も全てに眼が離せない国である。