たとえば、第2章の「家庭でできること」では、「テレビを1日2時間以上見る子に高学力の子はいない」「父親が子どもと将来について話し合う」など提案。どれも当たり前ではあるが、著者がかかわった体験をもとにしているので、説得力がある。特に、「新聞投稿に挑戦してみる」「学習した内容を子どもに説明させてみる」などは、なかなか気づかなかった点でまずうなずき、次に実際に取り組んでみたくなる。巻末に紹介されている「家庭でできる教材一覧」も参考になりそうだ。
この他、「学校の多忙化は解消するか」「地域が学校の取り組みを支える」など、新学習指導要領や社会でできることについても提案している。学習法の提案というより、教師生活の中から見えてきた著者自身の「学力観」を示している印象を受けた。
著者は、十余年にわたるこの実践の成果を教職員組合の研究会で発表した際、「管理教育」だと批判された経験を持つ。著者の提案する実践は、学力の基礎・基本を身につけさせるていねいな学習か、管理教育か。その答えを出すのは、「有名大学」を卒業した教え子たちではないだろうか。(町場キリコ) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
本書は、陰山先生が担任したクラスの子供たちがなぜ驚異的な比率で難関校に合格しているのか、実際の学力テストでも全国平均を100として“数と計算”で136、“言語能力”で135という数値を示すのか、その謎を普通のお父さんにも腑に落ちるよう解説してくれる。
第1章の「学校でできること」には、有名な100マス計算のテクニックや、日本国憲法の前文とか平家物語や源氏物語を暗唱できるまで音読する陰山メソッドが次々紹介される。「文章題より単純な計算練習の方が脳を活性化させる」とか「低学力は本人の思い込みによる」という、これまでの常識からすればアレッと思う記述がある。
5月初旬のゴールデンウイーク明けまでにその学年の漢字をすべて覚えさせてしまい、あとは復習を繰り返して完全マスターを図るという具体的な授業方法も示される。
注目したいのは、むしろ第2章に丁寧に描かれている「家庭でできること」の数々だ。学校教育については、誰しも甘酸っぱい思い出と苦い経験の双方があり、ともすると1億総評論家と化してしまいがちなのだが、自分の家の中でどれだけのことができているか、この本はよい鏡になるかもしれない。
特に著者が「テレビを1日2時間以上見る子に高学力の子はいない」と断言している部分は、子供のテレビ視聴時間が平均で2時間を超えている日本の家庭の現実からすれば注目に値するだろう。
単純な計算である。2002年度からの授業時間は小学校標準で年945時間、中学校は980時間だ。小学校は45分、中学校は50分の授業だから実授業時間は小学校で708時間、中学校で816時間。
一方1日2時間テレビを見ている子供の年間総視聴時間は730時間に上るから、既に小学校の授業時間を上回っていることになる。もし、土日にさらに1時間テレビゲームをするようなら、ディスプレーを見ている総時間が830時間となるから、中学校の授業時間も凌駕する。
時間数で“授業”は“テレビ”に負けているのだ。
私が、テレビを居間リビングからどけるか、せめて食事中につけっ放しにしないことからしか教育改革は始まらない、と考える根拠がここにある。
(東京都杉並区教育委員会参与 藤原 和博)
(日経ビジネス 2002/05/20 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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登録情報
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・本当の学力を身につけるためには、基礎的な読み書き、
計算などの基礎が大切。
・勉強よりも先に、まずしっかりとした生活習慣を身につけ
させる。
この2点がたいへん参考になりました。
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子育てのためのすばらしい参考書でもあります。
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