本書のライターの矢部智子さんは、リブロに入社し、出版社を経て、フリーになった方です。これまでに本や書店、空間をテーマに執筆してきた経験が本書に生きています。
優しいトーンの写真で飾られています。セレクト・ショップかギャラリーのような雰囲気が漂うお店がほとんどで初めて訪れても懐かしさを感じ、居心地良く過ごせる空間が広がるお店が多いという印象です。
書店は新刊でも古書でも品揃えがまず第1でしょう。規模ではなく、ジャンルを絞っても他の店にない個性が感じられるとリピーターになるわけで、本書で紹介された全国の15のお店はその点で全て及第点が付く輝きを持っていました。どこも一度訪れたくなる要素が確かにありました。ブックカフェも紹介してあり、利用価値はあのます。その意味では著者の審美眼は読者を納得させるでしょう。
先日、梅田に出来た日本一の品揃えの書店を訪れてきました。ネットに対抗するには、旗艦店のような規模の拡大を目指すか、本書のような個性ある書店に特化するしかないようです。大阪・北堀江にある『貸本喫茶ちょうちょぼっこ』のユニークな営業姿勢は、しなやかな感覚に満ちていました。
104ページ以降に掲載してある恵文社一乗寺店も有名です。テーマごとの配列で、大きさ別ではないのが本好きの方や、そのジャンルの本を探している利用者にとっては嬉しい配慮です。ギャラリーとの一体感もあり、京都観光の際に一度訪れてください。
本書の内容と取り上げられた書店です。
人がつながる本屋さん(NOW IDeA by UTRECHT、Calo Bookshop&Cafe、貸本喫茶ちょうちょぼっこ、artos Book Store)
空間を楽しむ本屋さん(limArt、beyer、リゾナーレ ブックス&カフェ)
あたらしい古本屋さん(森岡書店、Berlin Books、にわとり文庫、古本屋さんかく)
街と生きる本屋さん(colonbooks、Shibuya Publishing&Booksellers、百年、恵文社一乗寺店)
もっと!本屋さん(Book Caf'、Art Books ほか)