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本居宣長〈下〉 (新潮文庫)
 
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本居宣長〈下〉 (新潮文庫) [文庫]

小林 秀雄
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「もののあはれ」の説は、単に「源氏」研究の学説に留まるものではなかった。宣長において、それは、実人生の情を論じる際にも一貫していた。ひたすら宣長の肉声に耳を傾けながら、その徹底した学問と人生の態度を味わい、いかに生くべきかを究めた本書は、同時に現代最高の知性、小林秀雄の思索の到達点でもあった。本篇刊行後に上梓された「本居宣長補記」を併録する待望の文庫版。

登録情報

  • 文庫: 394ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1992/05)
  • ISBN-10: 4101007071
  • ISBN-13: 978-4101007076
  • 発売日: 1992/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
(承前) 2009/5/5
形式:文庫
 下巻は、伝記的な時系列で進み、遺言に至って円環を閉じる。
 宣長への批判に、源氏をやっている頃はまともだったのに、後年はテキスト絶対主義が極端化して、おかしくなったという見方がある。
 これに対して、小林秀雄は、宣長はただ学者として一貫していたという。
 テキストの内的論理を解き明かそうとすることは何ら狂的でなく、日常的には常識人だったということだろうか。
 孔子を「よき人」という宣長は、いわゆる国粋主義ですらないし、小林も自身についてそう言いたかっただろう。
 また、時間をおいて再読してみたい。
 新潮文庫版は、版面がよく、とても読みやすい。
 
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By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:文庫
四半世紀以上前に本書を読んで、ひどく悪印象を受けた。内容がなじみのない分野だったことは大きかったけれど、なによりも著者の思い入れが強く先行しているようで、なんだか頑固な年寄りの思いばかり尤もらしく語られた印象が強くて、それまで大好きだった小林秀雄から完全に離れてしまう類稀な悪読書を経験した。このたび、改めて再読してみて、印象は180度転換。やっぱり小林秀雄はすごかったというか、最後まで、徹底的な優等生、「本居宣長」以前とは、またまた知識の面でも、大きさからも、各段に進化し続けた著者の偉大さに圧倒された。「総じて生きられた過去を知るとは、現在の己の生き方を知ることに他なるまい。それは、人間経験の多様性を、どこまで己の内部に再生して、これを味わう事が出来るか、その一つ一つについて、自分の能力を試してみるという事だろう。」という文言は、本居宣長のみならず、契沖、徂徠、真淵、などの先行する巨匠たちの「学」の姿であり、そう言われてみると、小林秀雄の批評そのものがそうだったような気がしてくる。小林秀雄の批評は、空前絶後で、海外のポー、ボードレール、エリオットらのそれとは、全然異なるし、小林秀雄以前の鴎外漱石芥川といった碩学の批評文とも違う。大きな影響を与えた後進の吉本隆明、江藤淳、柄谷行人のそれとも全く異なっている。その違いは如上の引用の文章が、小林秀雄の中核だったという点にあると思うし、小林秀雄が対象を語ることで、読者はその対象を著者・小林秀雄と共に味わう事が出来て、それがまた、小林秀雄の作品を味わうことになるという「体験」の「場」が開かれている、そんな批評文だったと思う。本書のおもしろさは、上巻の真淵とのやりとり。真淵の真骨頂が見事に伝わり、どうやら「学」としては、真淵に比して、宣長が及ばない部分が相当あったと思える一方、「文学」というものに対する理解については、真淵に比べてどこか頽落性を容認しているような宣長の方が、受け皿が大きいというか、理解が大きいことが分かってくる。冒頭折口信夫に「宣長さんは源氏ですよ」と言われた言葉が、得心される。下巻は、徂徠の解説が面白いが、後半、またまた真淵との対比が、宣長との同一性と差異が見事に描かれ、思想の微妙なところが見事に描かれている点は、感嘆するしかなく、著者の本の読み手としての古今無双の力量に圧倒される。三木清のハイデガーの回想のエピソードにハイデガーが「アリストテレスを勉強することが歴史哲学を勉強することだ」と語る箇所が出てくるのだが、三木清がその意味を分かっていたのか分からないが、本書「本居宣長」を読むと、偶然の一致か、ハイデガーの言を、小林秀雄が本書で具現しているように思えた。
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By 柴風
形式:文庫
 『本居宣長』をブンコ化することの是非みたいなものは、上巻のレビューに書きましたので、特色などはそちらを参照して頂くとして。
 本、下巻は、「本居宣長」後半部分のみならず、単行本刊行後、断続連載され、後年別に一書として編まれた二つの「補記」も併録しております、おまけに、解説代わりなんでしょうが、単行本刊行後、江藤淳を行われた「対談」(「新潮」S55年12月号)も収録しており、至れり尽くせり、という感じです。
 この文庫上下巻をそろえれば、とりあえず、小林秀雄の宣長論がほぼすべて読めることになります。
 敢えて贅沢を言えば、「波」S53年1月号掲載の「感想」、同じく「波」S54年4月号掲載の「本の広告」あたりも載せればベストだったでしょうが...

 本書上巻のレビューで、初学者向けと書きましたが、その後、全作品版(第六次全集)の「本居宣長」(27、28巻にあたる)も購入し、読み比べてみましたが、註が多いので、初学者の方で、もし予算に余裕がある方は、二冊で4200円してしまいますが、全作品の方をお薦めします。
 ちなみに、上記の二つの「波」掲載文章は、ともに、全作品28巻に収録されております。

 それにしても、『本居宣長』が初学者に取ってハードルが高いのは、なんといってもその引用の多さでせう。
 いや、引用の多いのに難癖つけているわけではありません。
 もともと小林さんが目指していたのは「訓古」なわけですから。
 しかし、その引用されている文章が、ほとんど、古文漢文なわけですから、私のような浅学者にとってはかなりキツイ(特に漢文の読解」)。
 本居さんの文章のみならず、契沖だとか、荻生徂徠だとか、新井白石だとか、そんなお歴々の「原文」がバンバカ出て来ますので。

 とりあえず、古文漢文に自信のない方は、引用されている文章の現代語訳を用意された方がよいかともおもいます。

 本居さん自身の文章に付いては、最近、多摩通信社というところから、新書タイプで三冊がでております(ナオビノミタマなどが読めます。)また、昔、中央公論社からでていた「日本の名著<21>」には、問題の「カカイガ」はじめ重要な論文がかなり掲載されていますので、初学者には便利です。
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