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読むほどに、宣長が好きになっていきました。前向きな力をもらえます。宣長は「源氏物語」=紫式部に自らを重ね、小林は宣長に自らを重ねながら、それぞれの思想を深めていきます。その確かな足取りが感じられます。
他人がなんと言おうと、自分がこうだと思うことを素直に信じる熱い人。宣長の「源氏」を評する態度が、作者を信じ、深く愛する心に基づいていることを知り、小林は深く共鳴しています。それこそ、小林が「様々なる意匠」を書いた若い頃に獲得し、生涯変わらなかった批評の態度であり、宣長という力強い理解者を得た小林秀雄の静かで深い喜びが聞こえてくるようです。
小林秀雄の講演のカセットテープが新潮社から出ています。「本居宣長」を理解する上で役立つだけでなく、こちらも大変、面白い講演です。あわせて聞くのをお薦めします。
最初の100ページくらいまでは、淡々とした序奏と言った感じで、
徐々に本論に入っていくのですが、絶えず宣長と小林さんの
呼吸が合っており、「読者を驚かせてやろう」「奇抜なことを言ってやろう」
などと言う、卑しい考えは毛頭ありません。
自らの思いをストレートに伝える宣長さんと小林さんが
この本の中で出会っているような気がします。
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