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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
持っているだけで楽しい本,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
宮崎駿氏が岩波少年文庫からお勧めの50冊を選び紹介。あわせて本への、震災後の世界についてのエッセイを収録している。岩波少年文庫から多数の挿絵を収録し、アニメーターらしく挿絵についての意見を述べているが、その挿絵一つ一つが楽しく解説とあわせて読むと楽しくなってしまいます。 3.11後の世界について、「この20年間、この国では経済の話ばかりしてきました。まるではちきれそうなほど水を入れた風船のようになっていて、前にもあとにも進めない。何時破裂するのかヒヤヒヤしながら、映像やらゲームやら、健康やら、年金を心配したりして、気を散らしながら、けっきょく経済の話ばかりしてきました。」 「不安だけは着々と膨らんで、20歳の若者も60歳も区別がつかなくなりました。そして、突然歴史の歯車が動き始めたのです。生きていくのに困難な時代の幕が上がりました。破局は世界規模になっています。おそらく大量消費文明のはっきりした終りの第一段階に入ったのだと思います。風が吹き始めた時代の風とはさわやかな風ではありません。死をはらみ、毒を含む風です。人生を根こそぎにしようという風です。」と概括しています。しかし同時に、次の時代を作り、次の文化を作るのは、宮崎氏が本選びで戦っている少年たちだと、若い子供たちに強いエールを送っています。 僕は、自分の子供にどの本を選んでやろうかなと思ってこの本を手にしましたが、同時に自分でも読んで見たいと思う本をいくつも見つけました。貴方は、この50冊のうち、何冊を読んでおり、どの本を子どもに贈りますか。 色々と考えると楽しい本です。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宮崎駿はいい話をするなあ・・,
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レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
日本の国民的アニメ監督・宮崎駿さんの読書案内本(岩波少年文庫限定)。「宮崎駿の選ぶ岩波少年文庫」という企画で、紀伊国屋書店さんで配られていた無料冊子をベースにして文庫化に当たって新たに大量加筆したのが本書です。冊子をもらい損ねて臍をかんでいたので(それでも宮崎さんの選んだ50冊のうち未読のものを数点購入して読みましたが)今回の文庫化は嬉しい限り。宮崎さんの印税収入に貢献すべく、本書は図書館で借りずにちゃんと新品で買いました(まあ雀の涙なんですが塵も積もれば何とやらです!)。本書は前半部がカラー印刷で、宮崎さんの選んだ岩波少年文庫50冊が紹介され、後半部では幼少時から今に至るまでの宮崎さんの読書体験や、児童文学の挿絵論、日本児童文学界の恩人・石井桃子さんらについての思い出、アニメ『アリエッティ』の話、また今後のスタジオジブリアニメ製作計画、本好きの小さい友人の話、そして3・11後の世界について語られています。 個人的には、『ねぎを植えた人』や『小公子』(脇明子さんによる新訳が出ました、ばんざい)『三銃士』『チポリーノの冒険』『地下生活者の手記』などに対する宮崎さんの感じ方に非常に共感して、「そうですよね!!」と嬉しくなりました(ドストエフスキーを読むと自分を解剖されている気がして恐いからなかなか読めない、という気持ちがよく分かるという方は多いでしょう。私も『地下生活者の手記』は苦行でした。なんでこのロシアのおっちゃんこんなに人の心見透かせられるのかと怯えたものです)。『小公子』は現代では「子供を理想化しすぎている」と批判的に見られることが多い作品のようですが、バーネットは思想的に浅い作家ではないですし、そういう見方をして終わりにしてしまうのは勿体無い作品だと思います。今回の岩波少年文庫での新訳発売は、セディのいちファンとして非常に嬉しいです。 ともあれ、人に対する優しい眼差しとワクワクする好奇心をこのお年まで持ち続けていられる宮崎さんの言葉は本当に瑞瑞しくて、そしてほっとします。勿論時代に対する鋭い感覚や知性を持っておられるし、仕事に関しては厳しい面もおありでしょうが、この人は<切り捨ててしまわない人>だなあと思います。 文章も平易で読みやすく、すぐに読了できますので、ぜひご一読ください!
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
50冊の岩波少年文庫―温かな“依頼状”―,
By カナブンとスズメ (空想の世界) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) (新書)
本書は二部構成で、第一部は宮崎監督が選んだ50冊の岩波少年文庫の推薦・書評です。監督自身が読んだ作品から読んでいないけれでも他の人が おもしろいと言ったから選んだ作品が登場します。 第二部は前半(3.11前)と後半(3.11後)に分けられ、 前半は監督と少年文庫など児童文学との出会いや 翻訳のすばらしさ(特に石井桃子さん)や挿絵の魅力を取り上げ、 子ども時代に大事な一冊を見つけて夢中になれば 「この翻訳はおかしい」と言えると述べています(146頁)。 そして第二部後半は3.11後の心境について語り、 敗戦ではなくこれから本当の破局が始まるのであって、 この現実を見ていないのが現実であると。 そして、今ファンタジーを今は自分はつくれず、 自分は何をつくれるのかと問う日々が続いているが、 しかし、新しいファンタジーをつくるのは、 今本を選んでいる少年・少女たちである、と。 岩波少年文庫のお薦めの50冊と児童文学の面白みについて語られた 宮崎監督から小さい後輩たちへの温かな“依頼状”です。
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