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本は、これから (岩波新書)
 
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本は、これから (岩波新書) [新書]

池澤 夏樹
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

グーテンベルグ革命から5世紀。電子の端末が膨大なコンテンツから美しい「ページ」を開くこの時代、あなたにとって「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、鋭いアンテナの持ち主が応える…… 本の過去と未来を俯瞰する37のエッセイ

内容(「BOOK」データベースより)

グーテンベルク革命から五世紀。電子の端末が膨大なコンテンツから美しい「ページ」を開くこの時代、あなたにとって「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、鋭いアンテナの持ち主たちが応える―本の過去と未来を俯瞰する三七のエッセイ。

登録情報

  • 新書: 272ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/11/20)
  • ISBN-10: 4004312809
  • ISBN-13: 978-4004312802
  • 発売日: 2010/11/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By naichi トップ500レビュアー
有識者のべ37名が、”本の未来”について語ったエッセイ集。書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手による議論はどれも読み応えがある。紙の本への愛情を説くもの、電子書籍の欠落を語るもの、読書の本質は変わらないと主張するもの、さまざまな視点からの意見は、実にバラエティに富む。

ただ間違いないのは、電子化への流れは抗えないということと、紙か電子かという二項対立でものを考える必要はないということだ。この二項対立の構造は、委託制、再販制に基づく旧来型のプラットフォームか、Amazon、Appleなどのプラットフォームかという、ビジネスモデルの構造に根差しているところが大きく、読書そのものを二項対立で捉える必要は全くない。

本書によって得た気づきは、昨今の電子書籍の議論によって、欠落している視点が二点あるのではないかということだ。一つは、書き手の視点による議論が少ないということ、もう一つは、ブログをはじめとするネットメディアからの視点で考える議論が少ないということだ。

◆電子書籍の議論で欠けている視点
・編集の縦軸と横軸の広がり
本を送り届ける側にとって、紙の本ありきで物事を考える必要がないというのは、非常にポテンシャルを大きくしてくれると思う。土台から考えることによる負荷は大きくなるかもしれないが、選択肢が増えることによる編集の横軸の広がりは表現の多様性を引き出すことになるだろう。また、送り手側でのパッケージをどこまで行い、読者の参加感をどのようにデザインするかという、編集の縦軸の広がりも、新しい世界観をもたらしてくれる。

・溶けていく境界線
電子書籍を、紙の本とネット・コンテンツの中間に位置付けて考えてみる。電子書籍の登場による影響は、紙の本とは反対サイドにいるネット・コンテンツも同程度受けることであろう。”体系化されたストック情報”のポジションに電子書籍が位置どることになると、隣接するネットメディア、ブログメディアはよりリアルタイム感のあるフロー情報に特化していき、TwitterやFacebookとの境界線があいまいになっていくかもしれない。また、短文の電子書籍、長文の有料メルマガなど定義をあいまいにする表現物の登場も予想される。そしてその誰にとっても、電子書籍の登場は、出版することへの敷居を今までより格段に低いものにしてくれる。

今後想定される、本の送り手の増加というものを考慮すると、送り手側の視点こそが、今後の電子書籍の命運を握るのではないかと思う。
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22 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
書物が文化の中心にあるのだという、
極めて重要な事実を改めて感じます。

出版ビジネスの不振が業界自体を覆いつくし、
電子書籍がいよいよ普及しはじめる。
そんな中で改めて本の魅力を語っている1冊。

出版文化の中心である、
岩波書店の矜持?
文化人のポーズ?
最初はこんな風にやや冷ややかに本書を手に取りました。
読了して感じるのは、
やっぱり紙で書籍が家庭に置かれるというのは、
文化そのものだ、ということでした。

たくさんの書き手がエッセイを書いていますが、
本業とは異なるテーマ(本とは)に真摯に取り組んでいる印象が強く残ります。
小学校の読書感想文にも似た、
初々しさがいいです。

本や出版について読者が考えてみるいい機会になりました。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
 電子書籍が盛んにメディアで取り上げられる今、編者の池澤夏樹を含めて37人がこれからの書籍について思いをはせた文章を寄せた一冊です。
 大学の研究者やライター、書店主や読書家で知られる企業トップなど、幅広い分野で名の知られる人々が筆をふるっています。

 執筆陣はどちらかというと年配の読書家が多いせいか、電子書籍には懐疑的な文章が多く見受けられます。私自身、電子書籍はあくまで好みの問題で手にする考えは“今のところ”ありませんが、そんな私の心に添うものが本書に寄せられた懐疑派の文章には見当たりませんでした。
 
 「そもそも人間は有機物でできている。有機物とはカーボン(炭素)を主体とした化合物だから、人間はカーボンと相性がよい。紙はカーボンであり、本は紙に限るのである。」(池内了)

 「電子書籍という新しい考え方の先には、本という文化、読書という文化がつくってきた、ゆっくり、という時間をどう設計してゆくかという見通しが、まだどうしようもなく欠落しています。」(長田弘)

 「スローな読書には、やはりしなやかな紙の本こそがふさわしい。それも文庫本のように、手にすっぽり入るような判型が望ましい。」(宮下志朗)

 こうした文章には電子書籍推進派の考えを押し戻すだけの論理的力がないように感じられます。
 むしろこの本で電子書籍の効用を説く、菊地成孔や紀田順一郎、最相葉月といった書き手の文章のほうが、電子か紙かといった本の門構えにこだわることなく、読書活動にとって電子書籍が決してマイナスではないということをかなり説得力の形で綴っていることが印象的でした。
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