無類の本好きだった草森紳一氏のエッセイです。2008年に惜しくも鬼籍に入られてわけで、草森氏の没後に、『ノーサイド』連載の「本の読み方」(1994年8月号から1996年6月号)に書かれたエッセイを収録したものです。
「ともかく読むのである」という一文がその凄まじい読書量を伝えています。1ケ月に150冊購入するなど気の遠くなるような本を読んできた吾人の矜持が伝わってきました。
「家で本を読む時、百パーセント、寝転んで読んでいる」ようで、そんな読書スタイルにも驚かされました。「本が好きな人は、眠くなるまで読む」というのも同感です。片時も本を読む、とにかく本を読んできたというのが随所に書かれていますが、その膨大な読書量から得られた各作家の書籍への簡単な書評がまたまとを得ています。こんな本を読んでいるのか、とか、この作家のこの本は読んだことがないとか、教えられることが多かったですね。
読書術でもありませんし、本から何かを得られるというハウツウ本でもありませんので、目的志向の読書には向きません。筆者同様、無類の本好きがただ「ともかく読むのである」という読書スタイルを取る方におススメの本だと思いました。
項目を少し記します。ウグイスの死、ロイド眼鏡もはずれて、猪口の数が増すにつれ、紅茶と葉巻、緑陰読書、天眼鏡、読書の不良、ぱたんと閉じる、重い旅行鞄、大きな無花果の木、老来書味深し、読書の冬、ほか。