斎藤さんの本は『物は言いよう』しか読んでないというビギナーですが、それでも十分に楽しめました。
書評集としての本書の特徴は、
・その時々の新刊本が多い
・小説以外の本もたくさん取り上げられている
・フェミニズムの観点がある
・文芸批評、読書案内系の読み物が豊富である
・記事のカラーはいわゆる「闘う書評」に属するが、「切捨て御免」という一方的なスタイルではなく、客観性と公平性が保たれている(と思う)
といった所でしょうか。
読み物としての面白さは勿論、700冊という収録数の多さ、索引の充実度からして、
斎藤ファン以外でも、読書人には便利な事典であると思います。
斎藤ファンとして(といっても初心者ですが)特に興味深かったのは、
大江健三郎『取替え子(チェンジリング)』と野嶋剛『イラク戦争従軍記』の書評です。
この2冊は(訳あって)異なる角度から2回書評されてるんですが、読み比べると
斎藤さんの「芸」の深さを味わえるのではないかと思います。