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本と映画と「70年」を語ろう (朝日新書 110)
 
 

本と映画と「70年」を語ろう (朝日新書 110) [新書]

川本 三郎 , 鈴木 邦男
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

かたや民族派・新右翼の論客「鈴木邦男」、かたや新左翼取材で逮捕経験のある元朝日ジャーナル記者の文芸評論家「川本三郎」。同じ時代を駆け抜けてきた両者が、互いの70年代の青春を総括し、テロリスト、革命、戦争など、さまざまなキーワードをもとに、映画や文学を中心に語り合う。前代未聞の異色対談集。

登録情報

  • 新書: 253ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2008/5/13)
  • ISBN-10: 4022732105
  • ISBN-13: 978-4022732101
  • 発売日: 2008/5/13
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By hide-bon トップ100レビュアー
形式:新書
川本三郎と鈴木邦男、一見あまり接点があるとは思えない両者だが、方や「朝日」、方や「産経」の新聞記者上がりで、それぞれに“ある思想的事件”に関与し、社を追われた、実はかって同じ“経歴”を持つふたりが、自らの事件、生き様の変遷と、影響を受けた映画や本、思想、社会について語る。川本が「朝日」を解雇され、映画評論の道を歩み始めた頃の、自己の心情吐露と社会の落伍者たちへのシンパシー溢れる映画評に共感したり、武闘派右翼の一水会代表でありながら、著作「腹腹時計と狼」等で新左翼への理解を示した発言を繰り返していた鈴木に、当時興味を持った者にとっては、懐かしさも手伝って、一気に読む事が出来た。
どちらかと言えば、この企画を持込んだ鈴木がリードする形で対談は進んでいくが、タイトルにも謳われている70年代の話が、それぞれの幼少期であった50年代へと移行していくのが、ちょっと痛い。三島由紀夫や楯の会、山本義隆、滝田修と言った左右両陣営の伝説の人物たちの当時の逸話と今についても語られている。国家よりも街、個人。どんなにブザマであっても、かっこよく死ぬよりは生き続ける事が大事と言う川本。手段としてのテロ、暴力は肯定するが、潜行したり逃げ回ったりする左翼は卑怯、右翼はやった事に対して責任を取ると言う鈴木。両者の考えの違いはいかにも、と思えるが、映画「靖国」への言及や、天皇、言論テロに対する鈴木の発言は、相変わらずリベラルそのものだ。
そして、川本が語る70年代半ばからの10年間の活動家たちの喪失と再生の物語、是非読んでみたいと思う。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
「赤衛軍」自衛官刺殺事件の最大の謎は入隊2年の新兵でない自衛官がライフルで武装(実弾装填)して夜間歩哨中に大した抵抗もしないで「包丁」でポン大の学生・菊井に刺殺されたことだ。菊井は自衛官の制服で「変装」していたというが22歳の若造で自衛官は21歳。懐中電灯で顔を照らせば「上官」か否かは判別つく。「上官」なら敬礼すればよい。歩哨はまず「誰何」をする。少しでも怪しいなら銃を向ける。或いは呼子を吹く。発砲してもよい。威嚇でも射殺しても。テロリストは射殺される可能性が大きい。なんでそんなリスクを。第二の疑問は自衛官を殺害した菊井が「朝日ジャーナル」の川本三郎に接触。殺人容疑者と
知りながら自宅に招いて談笑している。川本の神経を疑う。奥さんは?もっと解らないのは強奪した自衛官の腕章(歩哨)を菊井が川本に渡しさらに解らないのは川本がそれを焼却したこと。犯行当時はいていたズボン(血がついた?)も処分している。川本は東大法学部卒である。自分が殺人事件の共犯と疑われる犯罪を犯したことを知らないはずがない。聞いた話では菊井に頼まれてアジビラまで執筆した。こうなると立派な共犯だ。菊井は意図的に川本を殺人事件に捲き込んだのである。川本もなんでそこまで踏み込んだのか?東大法学部卒の27歳。朝日新聞社員。はっきりいって「正気の沙汰」ではない。殺人の共犯に等しい。よく実刑を免れたもんだ。現在は立教大学の先生だと。自衛官の遺族は納得できないだろ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 辰己 トップ100レビュアー
形式:新書
川本三郎×鈴木邦男……意外な取り合わせのようだが、実はほぼ同年齢。
ほとんど同じ時代を駆け抜けてきた。
鈴木邦男さんが「まえがき」で、「合わせ鏡のような二人」と書いている。
たしかに、天皇制、映画「靖国」、70年のテロ・文学・映画、三島由紀夫……
これらに同じように接してきて、二人の考えは微妙に違うようだが
実は非常に似通っている。

今や右翼からも攻撃を受けてしまう新右翼の論客・鈴木邦男さんは
私も非常に共感するところが多い。
彼の考えは、ここ10年、人間が劣化してきたのではないか、
というものだ。これは川本三郎氏の「昭和」へのこだわりと相通ずるものがある。

重いテーマを扱っているにもかかわらず、鈴木さんの明るい(?)語り口がいい。
それに川本氏が飄々と答える。
70年――それは「政治の時代」だったとも言える。
「怒りの時代」とも言えるだろう。

2人に共通する思いは、70年へのシンパシーと後ろめたさ。しかし暗くはない。
そしてリベラリズムだろう。対談は割と軽いタッチで進むが、
時折、それぞれのリベラルさが顔を覗かせる。
その間合いもいい。一気に読める対談である。
「なぜいま70年か――」そんなことを考えさせられる本だった。
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