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本と怠け者 (ちくま文庫)
 
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本と怠け者 (ちくま文庫) [文庫]

荻原 魚雷
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

日々の暮らしと古本を語り、古書に独特の輝きを与えた「ちくま」好評連載「魚雷の眼」を、一冊にまとめた文庫オリジナルエッセイ集。

内容(「BOOK」データベースより)

借家に住み、あまり働かず、日中はたいていごろごろしている。古書店めぐりをすませたあとは、なじみの高円寺酒場で一杯。天野忠、矢牧一宏、ラスキン、十返肇、古山高麗雄、阿佐田哲也、梅崎春生、深沢七郎、中村光夫…日々のなかで出会うなつかしい本たち。魚雷さんの目で見れば、古書もまた別の輝きを帯びてくる。「ちくま」の人気連載「魚雷の眼」に書き下ろしおよび未収録原稿を加えた、文庫オリジナル古書エッセイ。

登録情報

  • 文庫: 359ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/9/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480428747
  • ISBN-13: 978-4480428745
  • 発売日: 2011/9/7
  • 商品の寸法: 15.3 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By ANA!
雑誌連載時から楽しみに読んでいた。
基本的に、一編で一人の文学者を紹介する。著者は一つの作品というか、書き手の人生そのものにより興味を持つ。華やかな人、地味な人、……彼らはいったいどうやって、生涯にわたってものを書き続けてきたのだろうか? 必然的に、扱う著作物は彼らが一生のあいだに残したほぼ全てにわたる(これは相当元手がかかっているはずだ)。そしてそのエッセンスをぎゅっと濃縮する。そこへ果敢につかみかかっていく。
何か切迫した問題設定やテーマがあるわけではない。日常の合間に、なんとなくふっと手を伸ばす、といったふう。そしてそこに書かれてあることに触発されて、思考がはたらく。たくさんの短い引用に拮抗するようにしてつむがれた切っ先鋭い言葉が、ズバズバと読み手に突き刺さってくる。ここでは読むことが生きることに重なり、日々の省察へとつながっていく。それはローテンションに見えながら、実はジリジリとしぶとく執念深く、エネルギーを燃やしている。おお、ここに文学の一つの秘密があったのか。
知らない人物もいっぱいいる。いっぱい興味を持った。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『本と怠け者』(荻原魚雷著、ちくま文庫)は、何とも不思議な味わいの書評エッセイである。

19歳で故郷から上京し、大学は中退。就職氷河期であったため、月10万円の収入しかなく、風呂なしアパートに住む。そして「20代の半ばごろ、わたしは仕事を干されて、やることがなくて、昼間から酒を飲んで、古本屋にいりびたっていた」著者は、「寒くなると、蒲団が恋しくなる。一旦蒲団に入れば、そこから出るのがいやになる。いやになるから、朝眼をさましても這い出さない」(梅崎春生)といった、著者が敬愛してやまない先輩作家たち同様の生活態度に終始する。

下記に挙げるような「怠け者」の先輩作家たちに対する共感が、著者を彼らの作品にのめり込ませていくのだ。

「中村光夫は、吉田兼好の『徒然草』の『独り燈の下に書(ふみ)を広げて、見ぬ世の人を友とするこそ、こよなう慰むわざなれ』という言葉を引き、これこそが読書の喜びの極致だという」と述べているが、私も全く同じ思いである。

著者は、「昨日も明日にも、いまひとつ気が乗らない」と嘯く「アンディ・ルーニーのコラムを読んで、遠く離れた異国の地に同志を見つけたおもいがした」のである。

尾崎一雄というのは「お金がなくても病をわずらっても降参しない。自分が書く小説が時代と合わなくなっても降参しない」人間で、「わたしが尾崎一雄からいちばん学んだことは怠けることだった」と言い切っている。

ジュージ・ミケシュの著書を紹介しながら、「賢明に没落するにはどうすればいいのか。成長を目指すだけでなく、坂道をゆっくり下る知恵、そして衰退にたいする耐性を身につけておいたほうがいい」と忠告している。

「本でも音楽でも映画でも、自分がほんとうにいいとおもえるものに出あったとき、それをもっと深く理解したいとおもって言葉にし、誰かに伝えたくなる。批評の喜びは、そういう気持と無縁ではないとおもう」と言う著者に共感している私がいる。
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
この著者と僕は好きな作家の傾向がすごく似ている。
著者は私より、14歳、年下の1969年(昭和44年)生まれであるが、
それでも似ているのである。

代表例が深沢七郎さんと阿佐田哲也さん。
おふたりとも、夢中で読んでいる最中に亡くなってしまったので、
読むべき作家がひとりずつ居なくなってゆく悲哀を味わったのである。

で、著者は古本が大好きで、私と大いに違うところは
読書家であるところである。 この本は大変信頼が置けるので
私は著者を本読みの先達と定めて、尾崎一雄と梅崎春生を読むことにしたのである。
寸暇を惜しんでダラダラしながら。
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