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本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫)
 
 

本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫) [文庫]

高島 俊男
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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第11回(1995年) 講談社エッセイ賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

"琵琶湖畔の仙人"が中国文学で培った蘊蓄を刃に大新聞をグサリ。本の愛で方貶し方を伝授して講談社エッセイ賞を受けた傑作評論集

登録情報

  • 文庫: 319ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1998/03)
  • ISBN-10: 4167598019
  • ISBN-13: 978-4167598013
  • 発売日: 1998/03
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By 伯楽 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
「漢字と日本人」で両者の関係に目からウロコの視点を提供した高島先生の随筆集。当用漢字に関する章では、いずれ漢字は使用しなくなることを前提として、本来の意味を無視して無理やりに当用漢字が決定された経緯から、意味不明の漢字を使用させられている日本の矛盾を鋭く指摘している。また広島県の山中に住みながら、世の中のさまざまな矛盾を斜に構えて見つめる数編にも共感を覚える。
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 中国文学に滅法あかるく、日本語の使い方に一家言も二家言も持つ偏屈おやじが、バッサバッサと浅薄な文化人を切りまくるエッセイ集です。

 きちんとした「悪口」は、読んでいて気持ちのいいものです。
 高島氏の悪口は、本物だけが発する芳香に満ちていて、芸術品と言ってよいでしょう。

 芸術作品は鑑賞するものであって、批評したり解説したりするものではありません。私からは、特に素晴らしいと感じた個所を紹介させていただきます。

 漢字をはじめ中国文化の恩恵を受けて日本の文化が成立した、という言い方をよく聞きます。中国文化の影響は否定しないものの、高島氏は「恩恵」などと恩義には感じていないことを強調します。同音異義語が多いことで分かるように、現在の日本語の語彙のうち約半分が字音語 (漢字の音読みで成り立つことば)ですが、高島氏は、これを日本語の宿命的な缺陥と言います。
 (「缺」は「欠」の旧字。本書の冒頭に、無分別に旧字を廃したことを糾弾する一文も載っていますが、ここでは措きます)

 日本文化は中国文化より誕生がおそかったので、文字も遅かった。もし中国の言語・文字が入ってこなければ日本語は健全に成熟し、いずれやまとことばに適した文字を生み出していたに違いない。
 それが、まったく違う言葉と文字の「侵入」によって、日本語は発育を阻止され、音だけでは意味が通じない、文字を見なければ伝達できない言葉ができあがってしまった。と高島氏は嘆きます。

 この他、中国文学の造詣が深いだけあって、「ネアカ李白とネクラ杜甫」は絶品です。
 また、「知らず何れの処かこれ他郷」で明かされる田舎ぐらしの様子は、ドーデーの『風車小屋便り』を思い起こさせます。

 芸術作品には好き嫌いがつきものですが、ぜひ一度、鑑賞してみてください。
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20 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 言葉というのは生きているものであり、時代および言葉を使う主体の変化とともに変わっていくものであることは確かだ。しかし言葉が本来の由来とは異なる使われ方が横行している現代において、それは致し方のないことだと傍観するのが果たして言葉に対する健全な態度と言えるのであろうか。時代とともにどんどん新たな造語ができるのは避けられないだろうが、だからこそ古くから存在する言葉には本来の意味を尊重しなくてはならないはずだろう。そうでなければどのように過去と対話できるというのだろうか。過去との対話がなければ「自分がどこにいるのか、どういう道筋をたどってここにいるのかさえわからない」。「われわれが、安心して、自信を持って現在に生きるには、現在の素姓を知らねばならない'??現在の素姓を知るには、過去に話を聞いてみなければならない。」(54頁)国語辞典は死滅語を削除すべきではないという著者の提言(55頁)はこの過去との対話への評価から発する。そしてそれはとりもなおさず文化に関わる問題でもある。単なる懐古主義には終わらない深刻さがここにはある。
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