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末裔 [単行本]

絲山 秋子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

今を生きるオヤジを描く、著者初の家族小説誰もいない家から閉め出された定年前の男は、漂泊を続けながら、幸せの日々、本当の教養などに思いを巡らす。そして自らの存在を確かめるために行動を起こした。

内容(「BOOK」データベースより)

家族であることとはいったい何なのか。父や伯父の持っていた教養、亡き妻との日々、全ては豊かな家族の思い出。懐かしさが胸にしみる著者初の長篇家族小説。

登録情報

  • 単行本: 306ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/2/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062167379
  • ISBN-13: 978-4062167376
  • 発売日: 2011/2/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 166,293位 (本のベストセラーを見る)
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By 俊也
小説、
じゃない、
物語だ。

にしてもなんだこれは。今までこんな本があったのか。
オレは聖書なんか読んだこともないが、読むつもりだってないが、聖書ってこういうものかもしれないなと思う。

技術的なことなのかもしれないが、物語はゆっくりと拡散する。自ら末裔を悟り、血脈や運命の無限の広がりの中の一点がそのままかすんで消えていくような感覚の中、これ以上ないほど物語は散り散りになる。普遍化し、色も意味も失っていく。そしてそこから、じょうごに吸い込まれていくように、急速に収束する。悟りなど忘れたとばかりに、色づき凝縮する。
その美しさ。
アブノーマルだ。

物語全体を貫く、でたらめで、倒錯した、強烈な生々しさ。
卑近な例えで申し訳ないが、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」に似た、子供のころ誰もが見る悪夢のような、人間の無意識に持つ原風景とやら、混沌、そういう景色に肉薄した作品なのかもしれない。あーなんだそれオカルトくせえくだらねーオレは。
ちがう、この物語、圧倒的におっさんだ。ナマモノだ。

間違いない、この人だけが生み出せる世界観は。
文字で、言葉で、勘違いでいい、福音。
それを為せることは、光より速いニュートリノがどうとか、オレにはそういうレベルで迫る事実だ。

ただ今回は徹底的にそぎ落とされた感じがない。あまりに洗練されすぎてオレには判別がつかないだけなのか、迷いの中で書かれた作品なのか。
それともこういうのを巷では、一皮剥けたとでもいうのか。
イヤラシイ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
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妻が亡くなり母が痴呆で施設入りし子供たちが自立していった孤独な自宅が、ある日、突然その鍵穴を消失し、加齢臭を気にする中年男の主人公、ひとり放浪をはじめる物語。といっても、既存の人間関係や生活習慣を完全に放擲して動き出すのではなく、会社に律儀かよい、家族とのこれまでどおりの微妙な関係を維持し、問い直しつつ、様々な新しくときに幻想的な人間や出来事に遭遇していく。その過程で、自分の人生や親族への感慨や思索を深めながら話が進んでいく。とても内省的な作品。
日常が唐突に何パーセントかだけ不思議の国になったような雰囲気が気持ちよく、さばさばとしたオヤジ主人公の内言の数々も、妻や子供たちへの思いを中心に、その場その場での雑念から教養チックなものまで、なかなかに興味深い。ただ、全体にいまひとつ「やられたなあ」といった表現に欠けるような気がする。昔から著者のファンで、多くの作品に文学的によく効く毒を与えられてきたが、本作は少し不完全燃焼な読後感があった。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By
何がそんなにいいのか全く解らないのに、この小説がものすごく好きだ―!

読んだ後ボーッと反芻してしまいました。
その様な読後感の作品に出会ったのは久しぶりです。

絲山さんの作品では『袋小路の男』や『ばかもの』が好きなのですが、この方は、
“あらすじを読むと全然面白くなさそうなのに、
実際に読んでみると不思議に心に響いてくる物語” が本当に上手いと思います。
他の方々の小説と一体何が違うんでしょう?
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