同時代に同じテーマや原作で、違った色合いの作品が出ることが希にあります。
『アルマゲドン』と『ディープ・インパクト』もそうですが、スタンリー・キューブリックの怪作ブラックコメディ『博士の異常な愛情』と同じプロットを(ちゃんと)シリアスに描いたシドニー・ルメット『未知への飛行/フェイル・セーフ』も、マイナーながら傑作でした。
全面核戦争の緊迫感を合衆国大統領の苦悩と決断という視点で描いています。
『FAIL SAFE/未知への飛行』はCBSがシドニー・ルメット版を忠実にリメイクしたTVドラマで、2000年に放送された時は「生」だったという、今時なかなか思い切った企画。
ルメット版でヘンリー・フォンダが演じた大統領をリチャード・ドレイファス、モスクワを目指す爆撃機にはジョージ・クルーニーとドン・チードル、さらに重要な任務を帯びる空軍准将にハーヴェイ・カイテルという超豪華キャストです。
時代設定も60年代のまま、映像も白黒、と64年版をほぼ忠実になぞっていて、さらに「生」の緊迫感があって、最初は斜めに見ていたのですが大変引き込まれました。
p.s. ちなみに、タイトルと、最初の方に"未確認飛行物体"が出現するので、SF『頭上の脅威』と混同されていることが多いようですが、これは核戦争もののシリアスドラマです。