本書は<帝国>やマルチチュードなどグローバリゼーションにおけるアクティブなオルタナティブを提起しつづけている哲学者、ネグリに対するインタビューです。
まず、本書はその構成が特徴的です。インタビュー形式なので構成がQ&Aの形になっており、ネグリ自身がネグリの思想を解説するという大変理解しやすい文章になっています。既刊の著作の傍らにおいて参考書としても読むことができると思います。またユーゴ紛争やシアトル、ジェノヴァのデモ、サパティスタの蜂起など現実の運動、現実のマルチチュードについての分析と考察がなされており、実践的な内容になっています。活動家にとってはハンドブック的な読み方もできるでしょう。
前半では社会主義の考察を行ないます。単に失敗と片付けるのではなく、その積極的な意味も掬い上げている点が興味深いです。後半はマルチチュードの形成過程を追います。まさに上記のような90年代以降のアクチュアルな問題群を縦横に横切りながら、マルチチュードを立体的にに形成していく様は大変鮮やかです。続く下巻の出版を心待ちにせざるを得ません。
今までネグリを読んできた人にも、これからネグリを読もうという人にもオススメの本です。ぜひ、手にとって見てください。