恐ろしい・・・というよりはシュールだ。
シュールなSF漫画だ。
諸星大二郎流の奇怪さもしっかりただよっている。
世界観としては、バイオテロ後の人間社会であり、バイオテロの後遺症が人類の営みに様々な影をもたらす短編6作と、合間に幕間劇として5作品が挿入されている。
動植物や人が別の遺伝子と結びつき、ジワジワと変化を遂げてゆく異形世界。
その中で人体に影響の出ない者と、影響を免れない獣化人間との間の住み分けが行われ、やがてバイオの風が吹き荒れ、すべてを飲み込む・・・。
共通の世界観を軸にした短編集のような装いですが、バラバラに見えたエピソードもラストで一つの大きな繋がりとして集約されています。
虚無感と、ある種の幸福感が終始漂う作品でした。
同じように人と動物との奇妙な関わり、交わり合いを描いた短編集、「私家版鳥類図譜」や「私家版魚類図譜」もオススメです。