本書は、アニメ界の世界的な巨匠・宮崎駿監督が、アレグサンダー・ケイ原作『
残された人びと』を基に手がけ、多くのクリエイターたちに多大なる影響を与えた名作アニメ『
未来少年コナン』(1978.4.4〜10.31)のノベライズである。
西暦2008年7月、人類は絶滅の危機に直面していた。核兵器をはるかに超える超磁力兵器は世界の半分を一瞬にして消滅してしまった。地球は大地殻変動に襲われ、地軸は捻じ曲がり、5つの大陸はことごとく引き裂かれ海に沈んでしまった。
――このオープニング前の独特のナレーションは印象的でした。
本書は、人類を滅亡の危機にさらした大戦争から20年後を舞台に自然と共有しながら生活していた少年コナンと漂着していた謎の少女ラナとの出会いから攫われたラナを救出するためにのこされ島を離れ、ラナのいるインダストリアへ向かい、ラナと再会するまでの第1話『のこされ島』〜第7話『追跡』までの挿話が収録されている。
今回の見所はコナンがラナと出会ってから再会するまでの過程の中で様々な人との出会いが印象的だった。コナンとラナを始め、コナンの親代わりであったおじい、コナンの最初の仲間となる自然児・ジムシー、ラナを攫いに来たインダストリアの行政局次長・モンスリー、海に生きる男であるバラクーダ号の船長・ダイス、ダイスの忠実な部下で運命を共にする船員・ドンゴロス、グッチ、パスコ、世界支配を目論むインダストリアの行政局長・レプカなど魅力的なキャラクターたちの登場により、物語を際立たせ面白くしている。
今回最も印象的な場面は、長年、一緒に過ごしていたおじいとの別れでおじいが死に際にコナンに未来を託して死んでいき、コナンが旅立つ決意をしたシーンが象徴的でした。そして、おじいの遺した最期の言葉も…。