巨匠・ディックのタイムトラベルもの。比較的初期の発表作品とのこと。
冒頭、突然の視点移動があり、かなり特異な世界観が紹介され(というより、徐々に明らかになっていき)、主人公の周囲でどんどん状況が変わっていき、と巻き込まれ型のストーリ展開。しかし、ディックお得意の変な世界での突拍子もないストーリを期待して読み進めると、ちょっと肩透かしを喰らいます。とんでもない世界設定が明らかになっていく系の話は前半で終わり。後半は(過去への)時間旅行者の直面するパラドックスがストーリの中心になっていきます。そして最後に明らかになる衝撃の事実!となるかと思いきや、どんでん返しぽいところは結構普通のSFですねえ。伏線も何も、ベタでそのまま書いてあったし。
ディック作品はほとんど読んじゃったマニアな人向けかもしれません。少なくとも初めてディックを読む人には勧めない。