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今日のコンピュータの基礎を支える、画期的な発明の数々を生み出し、伝説的な存在となったゼロックス・パロアルト研究所。グラフィカルインタフェースやLAN、ウインドウシステムといった、現代的なコンピュータの特長と考えられる数々の技術が、1970年代にはすでにこの研究所で生まれ育っていた。彼らはまさに、「未来をつくって」いたわけだ。本書は、その研究所とその天才科学者たちの物語である。
物語は、研究所創設のため、スタッフが集まるところから始まる。「最高の研究を達成するただ1つの方法とは、最高の研究者を雇い、彼らを命令、義務教育、締め切りといったものから自由にしておくことである」という理念のもと、全米から最高の頭脳が集まってくる。そして、コンピュータ史上稀に見る勢いで、その後のコンピュータの流れを方向づけるような、画期的な発明が行われていく。「伝説的な」発明に取り組むその当時の研究者たちの熱気と興奮とが、本書からリアルに伝わってきて、わくわくさせられる。
また、登場人物も魅力的である。取りすました天才などではなく、あまりにも人間的な人物が多い。自分の能力ゆえに尊大になり、独善的になって他の科学者たちと衝突する。自分たちの画期的発明が、本社の重役たちにまったく評価されないことにフラストレーションを爆発させる。正反対の性格の2人が、見事なチームワークを発揮する。こんな様子が生き生きと描かれているのは、当時を知る研究者をはじめとした多くの人に丹念な取材を重ねた、著者の努力と力量のたまものであろう。
ゼロックスは、パロアルト研究所の画期的な成果のほとんどを利益に結びつけることに失敗し、研究所も一時の輝きを失ったという結末は、すでに私たちの知るところである。本書は、ひと握りの科学者たちの学術計算用ツールから、今日的な誰にでも扱えるコミュニケーションツールへと、コンピュータを変えていく天才たちの格闘を軸に描きながら、ゼロックスのような結末を迎えた企業、研究組織、そして人間のダイナミズムをも鮮やかに浮かび上がらせている。(福島紀行)
出版社/著者からの内容紹介
コンピュータ関係者の間で伝説的な存在として語り継がれているゼロックス社パロアルト研究所。そのもっとも華やかな期間(1969-83)のコンピュータ科学に関連する活動を、当事者たちへの豊富なインタビューにより再現する。GUI、イーサーネット、レーザープリンタをはじめ、なかにはコンピュータ・ウイルスのようなものまで、現在のパーソナルコンピューティングのほとんどすべてが、どのような人々のどのような想いと行動によってもたらされたかを知るための格好の読み物。また企業と技術研究というテーマに関心をもつ人にとっても、参考になる事例を豊富に含んでいる。
内容(「BOOK」データベースより)
パーソナルコンピュータは、どのようにして生まれたのか。企業にとって技術研究はいかにあるべきか。コンピュータ史上の伝説的存在、ゼロックス・パロアルト研究所のすべては、ここからはじまった。
内容(「MARC」データベースより)
パーソナルコンピュータはどのようにして生まれたのか。企業にとって技術研究はいかにあるべきか。コンピュータ史上の伝説的存在、ゼロックス・パロアルト研究所。すべてはここからはじまった。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヒルツィック,マイケル
ロサンジェルス・タイムズ紙の政治・経済・外国関連記事の通信員、テクノロジー分野の執筆者・編集者を経験。ピューリッツアー賞の最終候補に2度選出されたことがある。南カリフォルニアに妻と2人の息子とともに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ロサンジェルス・タイムズ紙の政治・経済・外国関連記事の通信員、テクノロジー分野の執筆者・編集者を経験。ピューリッツアー賞の最終候補に2度選出されたことがある。南カリフォルニアに妻と2人の息子とともに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)