ラッパーBoss The MCとトラック・メイカーO.N.Oから成る、札幌発のTHA BLUE HERB。彼らの放つ攻撃的なメッセージには、ネガティヴィティなど存在しない。北の地から自らを誇示するもの/弱気なヤツに対する容赦無い批判/決してコビを売ることのない、ハングリーかつストイックな生き方――それらは、コトバを複雑に組み合わせたリリックで表現され、まるで難解な小説を読んでいるかのような錯覚に陥… AmazonのBLUE HERBストアで詳しく見る
ザ・ブルーハーブが、なんとザ・ブルーハーツの名曲「未来は僕等の手の中」をカヴァー。もとは『ザ・ブルーハーツ・スーパー・トリビュート』に収録されるはずだったが、事情によりお蔵入りになった曲だ。ヒップホップがロックをいかにカヴァーするのか。BOSS THE MC が出した答えは「スピリットをカヴァーする」だった。ほとんどエレクトロニカと化した O.N.O のトラックに乗せて、BOSS は、下積み時代、バイトに疲れ夢を見失いそうになりながらも未来を信じ、東京での初ライヴにたどり着くまでの自らの苦闘を描写した。タイトル・フレーズ以外はまったくのオリジナル。原曲を期待すると肩すかしをくらうだろう。しかし、20世紀、ブルーハーツが多くの若者を勇気づけたように、ブルーハーブのこの曲も、新しい時代を生きる世代に十分に希望を与える内容になっている。ともすればコピー的なトリビュートが多い中、真にクリエイティブなトリビュートと言えるだろう。(山田次郎)